「カンボジア不動産=高利回り」とは限らない

カンボジアに資産設計実践会メンバーと総勢20名で来ています。街は相変わらず活気に溢れ、バサレックレーンというオシャレなバーが集まる西麻布のようなエリアも出来ていました(写真)。

2日目はプノンペンの中心部にあるボンケンコン1と呼ばれる高級住宅エリアを中心に投資用コンドミニアムを視察しました。

新興国の不動産投資には、ハイリスクハイリターンのイメージがあります。

確かに、破綻するディベロッパーがあったり、想定外の政治リスクなどもあります。また、為替の影響も受けますから、国内の不動産に比べればハイリスクということができます。

しかし、高いリスクを取ったからハイリターンとは限らないのです。

今回視察した物件の中には、平米単価が高く、明らかに割高な物件もありました。

このような物件を購入しても、想定した家賃は受け取ることができず、高利回りにはなりません。また売却する時も購入価格を下回る可能性が高まります。

競合物件と比較すれば、簡単に見分けることができるにもかかわらず、日本人投資家に売れているそうです。

例えば「想定家賃が1000ドルです」と不動産販売会社から説明を受けると、それを鵜呑みにしてしまうのが失敗の原因です。

少し手間をかけて、周辺の賃貸家賃の現状をヒアリングすれば、想定家賃の妥当性が見えてきます。

また、販売価格の平米単価を比較することで、割高割安を判断することも可能です。

このような不動産投資では当たり前のことをやらずに、なんとなく物件を購入しても、粗悪な物件をつかまされるだけになってしまいます。

新興国不動産がうまくいかないという場合、個人投資家自身の物件選択が甘いことが要因になっているのです。

インナーサークル資産設計実践会では、現地不動産会社との長期的な信頼関係を構築することで、良質な物件を優先的に紹介してもらえる仕組みができています。

今回も一般には提供されない特別な情報を教えてもらうことができました。

また、参加する複数の投資家の視点で多面的に物件評価をすることができ、投資判断をより精緻にすることができます。

日本に比べ、成長の余地が大きいカンボジアですが、物件選びを間違えると「カンボジア不動産=高利回り」とはならず、後悔することになります。

大きな失敗を避けるためには、正しい人たちと付き合い、正しい情報にアクセスして、正しい判断をすることが重要です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。