国民を裏切った自民党、がっかりさせた東京地検特捜部

日本の小型実証機「SLIM」が月面着陸に成功しました。ライブで見ていましたが、想定通りの着陸経緯を辿り、着陸後も「SLIM」からの情報が入ってきていて「これは成功したな」と思っていました。今回の最大の注目は単に月面着陸だけではなく、ピンポイントで着陸地点を押さえること、そして転びこむように着地する新しい発想を取り入れるなど斬新さが際立っています。詳細が全部わかるには相当の時間がかかるようですが、良い結果が生まれそうです。明るいニュースになればと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

あぁ、中国株

株式時価総額ベースでアジア最大の株式市場は上海株式市場でした。しかし、活況を呈する東京市場に対して外国人投資家が手を引く上海市場は遂に逆転を許してしまいました。そんな中、今週発表になった中国の10-12月期GDPは前年度期比5.2%増で李強首相は目標達成をしたと自慢げに発表しました。ただ、22年はコロナ規制で大変な時期との比較話です。事実、23年7-9月期と比べるとGDPは1%しか伸びていないのです。不動産が散々な中、欧米の経済制裁や規制も厳しくコロナから解放された後も正直伸びを欠いているというのが実態であります。

そんな中、以前にもご紹介しましたが、アメリカで上場している中国株がバリエーション的に異様に安値放置になっています。ざっと半額とか1/3ぐらいです。その為、テクニカル重視でみればそろそろ反発してもおかしくないだろうとされているのですが、欧米の機関投資家が「中国リスク」から中国株に手を出しずらい状況になっており、下げる一方なのであります。ボトムはあるのか、と聞かれればそろそろだろうとは思います。何度も申し上げますが、企業も国営と民間があり、全ての企業活動が共産党に振り回されるわけでもなく、単に習近平氏とその取り巻きが経済音痴なだけなのです。というか、イデオロギーが優先し、経済は二の次なのです。

中国は政府の方針もあるし、情報が限られることもあるせいか、特定分野に圧倒的にマネーが集中する傾向があります。過去、不動産やインフラ、ハイテク、教育、Eコマース、EVと流れてきました。中国EV車は明らかにブームが終焉し、弱肉強食の淘汰の時代に入っている中、次の産業のスターが見当たらない、そんな状況にあります。習近平氏が産業リーダーが生まれるのを恐れている気もします。景気刺激策もイマイチだし、利下げもしませんでした。習氏が妙にアメリカに対抗意識を持ち、突っ張ることで中国経済をよりダメにして、海外投資家が身を引く、そんな構図に見えます。ただ、中国株は必ずどこかで反転はするはずでそう遠くはないとみています。

国民を裏切った自民党、がっかりさせた東京地検特捜部

正直、勧善懲悪もののドラマみているようなそんなひと時だったと思います。逮捕者を出し、「おっ、これからつるべ落としか?」と期待させるも幹部の立件は困難という報道に一番がっかりしたのは国民だったのではないでしょうか?与党で長年安定的に政権を担った割に今回の問題に対して国民は非常に冷めていたと思います。「馬鹿々々しくて見ておれん!」それが本音だと思います。こんなことで時間と税金を使い、国政が停滞するのかと思うと私も癪に障るのです。

が、それ以上に東京地検特捜部はどうしちゃったの?と言いたいところです。この手の話には「裏話」がつきものなので我々の知らぬ世界でディールがあったのかもしれません。が、私はこれで終わったわけじゃないとみています。なぜなら検察審査会が待っている公算が高いからです。還流分を収支報告書に記載しなかった全議員が刑事告発される見込みで検審がやり直しをすることになります。いわゆる第2ラウンドというやつです。ちなみに菅原一秀元経済産業相や河井克行元法相夫妻は不起訴後、検審で判断が逆転、起訴されています。

となればもうしばしの長丁場になるのですが、その間、岸田氏は足元が悪い中、国会を乗り切り、アメリカに国賓待遇され「お友達関係」をしっかり確認するのでしょうか?派閥の串がとりあえず3本抜けました。他の派閥がどうするかわかりませんが、抜こうが抜くまいが、結局、誰かに寄り添わないと生きていけない自立性のない議員ばかりを生み出したのが自民党の悪癖とも言えます。その最たるものが安倍氏で後任を育てなかった点は残念です。政治家なんておおよそ自分の肩書と自分の懐ばかりを考えて選挙民は沿道の華ぐらいにしか思っていないのかもしれません。根性入れ替えんとあかんでぇ!

東京地方検察庁と自民党本部

積水ハウスのアメリカ戸建て会社買収に思うこと

積水ハウスがコロラドのMDCホールディングスを邦貨7200億円で買収すると発表しました。これで積水は全米第5位のハウスメーカーにのし上がります。これは非常によい買収となります。私はそのような業界にいるし、今も工事現場に通っているわけですが、北米の工事の特徴は大きな作業は得意だが、細かいところが全然不得手。また工種の取り合いがへたくそで日本のように4-5つの業者が同時に作業を進めることができないのです。その点で改善の余地は大いにあるのです。

カナダでも水面下で大きく動きが出ています。非公開情報なので詳述は出来ませんが、日本の住宅関連会社が攻めてきています。それも複数です。最近思うことは北米流のやり方はそろそろ陳腐化したな、という点です。日本の精度、管理技術、工程管理、予算厳守、人的クオリティなど様々な面で北米を凌駕しつつある分野が目立ってきたと感じています。日本製鉄のUSスチール買収も業界の構造改革につながるでしょう。北米のセブンイレブンもこのところようやく改善がみられ、少しは行く気、入る気になってきました。サントリーもビームス買収を梃に好調を維持しています。

これらは80年代末期の日本企業の北米への爆発的進出を想起するのですが、当時とは明らかに違います。あの頃は日本企業戦士がアタッシュケースに札束入れて「買収するでぇ!」と言って片っ端から買って行ったのです。しかし、買収したもののそれを運営する人材がほとんどおらず、撤退が相次いだのは歴史が物語るところ。しかし、今回の相次ぐ北米進出の流れは「満を持して」という感じがします。まさにリベンジのようにも感じます。そして決して敵対的ではなく、アメリカを驚かせるその手腕をニッポン魂として見せることになるでしょう。応援します。

後記
大寒波が過ぎても気温は日中もプラスに転じないまま、水曜日は大雪。道路はガラガラ、会社に人はおらず。が、私はスコップをもってマリーナの雪かき。理由はスタッフが来ないから。しかも電動雪かき機がある倉庫のカギはスタッフが持ったまま。スコップで2時間半の格闘。暑くて気が付いたら氷点下5度ぐらいなのに半袖一枚で汗をかいていて通行人から「今日はジムに行かなくても済むぞ」と冷やかされました。土地所有者が雪かきをせず、転ぶと訴訟されるリスクがあり、道路に融雪剤をまくルールもある程度決まっています。今日からようやく気温が上がり一息つけそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年1月20日の記事より転載させていただきました。