バイオマスって再エネなんですか?

最近、バイオマス発電所の事故が相次いでいます。バイオマスといっても化石燃料の代わりに木質ペレットを燃やしているだけですが、バイオマスは再生可能エネルギーということになっていて、FIT(固定価格買取)で32~40円/kWhで買い取ってもらえるので、各地に発電所が増えています。

ところがEU(欧州連合)は2023年12月に可決した再生可能エネルギー指令(RED Ⅲ)で、木質ペレットを再エネ補助金から除外することを決めました。どうしてでしょうか。チャットGPTにきいてみました。

木質ペレット(Wikipediaより)

Q. バイオマスって何ですか?

バイオマスとは、生物資源からなる有機物のことを指します。この用語は、通常、植物、木材、農業廃棄物、藻類などの植物性の物質、そして動物や微生物に由来する物質を含んでいます。バイオマスは、再生可能エネルギーとして利用されることが多く、化石燃料の代替として期待されています。

Q. バイオマスは再生可能なんですか?

はい、バイオマスは再生可能なエネルギー源です。再生可能なエネルギー源とは、使用しても枯渇することなく、自然のサイクルによって継続的に補充されるエネルギー源のことを指します。バイオマスは以下の理由で再生可能とされています:

  • バイオマスは植物や微生物などの生物資源から作られます。これらの生物は、適切な管理の下で定期的に収穫し、再生することができます。
  • 植物は光合成を通じて太陽エネルギーを化学エネルギーに変換し、二酸化炭素を吸収します。そのため光合成で吸収した二酸化炭素は、バイオマスを燃やして放出される二酸化炭素とバランスが取れるため、カーボンニュートラルとされます。

Q. でも輸入した木質ペレットは、カーボンニュートラルではないですね?

その通りです。輸入された木質ペレットを使用する場合、その国内での直接的な炭素中立性には疑問が生じます。カーボンニュートラルとは、排出される二酸化炭素の量が、同時期に大気から取り除かれる量と等しい状態を指します。

輸入された木質ペレットが燃焼されると、その燃焼過程で二酸化炭素が排出されます。この二酸化炭素は、ペレットの原料となった木が成長する過程で吸収されたものですが、その炭素固定(光合成による二酸化炭素の吸収)は別の国で行われているため、使用国内での直接的な炭素吸収とは見なされません。

Q. 薪も燃やして植林しないと、化石燃料と同じですね?

はい、その通りです。化石燃料は、地球の地下に長期間にわたって蓄積された炭素を含んでいます。これらの燃料を燃やすと、地下に閉じ込められていた炭素がCO2として大気中に放出されます。

薪は、成長過程でCO2を吸収し、炭素を蓄えていますが、伐採後に植林を行わない場合、薪の燃焼によって大気中のCO2濃度が増加します。これは化石燃料の燃焼と同様に、温室効果ガスの増加に寄与することになります。

Q. EUはバイオマスを再エネから除外するんですか?

除外するわけではありません。欧州議会で決まった再生可能エネルギー指令(RED Ⅲ)では、木質バイオマスを再生可能エネルギー源として維持することが決定されましたが、これにはいくつかの条件が含まれています。

  • 森林から採取された原木への補助金はなくなりますが、木材の残留物や廃材から作られるペレットには引き続き補助金が提供されます。
  • バイオマスのために収穫される森林木材の量は、2017年から2022年の平均収穫量に制限され、今後は段階的に削減されます。

EU議会の資料

EUの再エネ比率は世界最高ですが、その58.9%はバイオマスで、その70.3%は木材ですから、木質ペレットが再エネから除外されると、再エネ比率が大幅に下がって「2050年カーボンニュートラル」が実現できなくなります。

しかしバイオマスを会計上どうカウントしても、木質ペレットを燃やしたらCO₂が増えることに変わりはありません。環境NGOはこれを「木材を大量に燃やしている北欧諸国のグリーンウォッシュ(環境保護しているように見せる偽善)だ」と批判していますが、日本の自然エネルギー財団も環境省も沈黙しています。