他人との比較で人生をムダに過ごさない3つのコツ

黒坂岳央です。

人間は社会的な動物であり、自分が社会と繋がっているか?どの位置にいるか?を気にしてしまう。特にSNSで社会的地位が可視化されてしまったことで、他人との比較で自傷行為をやめられない人が多くなってしまった。

その逆に下方比較(自分より下の地位の人と比較すること)が一種のエンタメとなった。つまり、人は上を見て心を傷つけたり中傷し、下を見て安堵したりマウントを取って悦に入ってしまうのである。

この非生産的なムダからどうすれば卒業できるか?これを考えたい。筆者も一時期、他者比較に苦しんだ時期があったのだが現在は完全に抜け出した。そのノウハウを本稿でシェアしたい。

recep-bg/iStock

1. 他者比較はコスト高

まず、他者比較は人生のムダなコスト高になるという理解をすることだ。その金額を理解すれば卒業へ一歩進めるだろう。

人生の3大出費といえばマイホーム、自動車、教育費といわれるが、見栄のコストは人によってはこの3大出費を上回る。もとい、マイホームを不必要に豪華絢爛にしたり、高級車や不相応なお受験などで3大出費のコストを押し上げる。人生最大のコストは見栄という人もいるだろう。

昨今、一部の学生の間で「iPhoneSEモデルだったことを学校で貧乏だとバカにされた。親はお金がないのでもうパパ活で稼ぐしかない」といった投稿もあり、人生の早い段階でこの他者比較が自縄自縛になっている人もいる。

冷静になって考えればいい。たかだか見栄に数千万円の巨費を投じるのは正気の沙汰でないということに。これはカイジという漫画でも描写されていたが、人は大金を得るために膨大な時間と労力を差し出す。朝から夜まで働いても、1000万円を貯めるために10年、20年とかかるのが普通だ。人生まるごとかけて必死に得たお金をあったこともない他人、もしくはたかが数年の付き合いの後にもう一生会うことがない他人からヘイトを買うために使ってしまうことは本当に価値ある使い方と言えるのだろうか?

そんなものよりもっと優先して買うべきものはいくらでもあるだろう。

2. 誰もあなたに興味はない

コピーライティングの分野を学ぶと必ず出てくるのが「他人は誰もあなたに興味はない」という本質である。なぜ寂しい真理をわざわざ学ぶのか?それは「誰もあなた自身に興味がない。興味があるのは自分の得だけ。だからキャッチコピーは受け手の得だけを考えて訴求せよ」という点である。

あなたがブロガー、YouTuberになって自分語りをしても絶世の美女でない限り誰も興味を持たない。だからやるべきは見ている人が得になる内容を発信するしかない。それはお笑いというエンタメかもしれないし、聞いてためになる話かもしれない。面白いか?有益か?これ以外は見られない。受け手にメリットがないことは興味を持ってもらえないと学ぶことで、初めて相手を振り向かせることに集中でき、その知識・技術を学ぶ姿勢が生まれるという話だ。

他者比較をしたくなるのは「誰かが自分を見てくれるはず」という幻想から来ている。だが、誰も興味はない。もはやブランドバッグや高級時計を見せびらかすような承認欲求の消費行動はXではコモディティ化しており、探せばいくらでも出てくるので差別化にならない。差別化どころか、「承認欲求ゾンビ」と虚しいカテゴライズをされるだけだ。こんなことをしても尊敬の眼差しで見られるどころか、逆に叩くネタに飢える人たちにおもちゃとして消費されるだけである。

お金を使って嘲笑を買うことに論理的メリットはないだろう。そこから脱するには「誰も自分には興味がない」という本質を理解することである。みんな自分の人生に忙しく、他人をじっくり観察するほど暇ではないのだ。

3. 時間のムダ

最後に時間のムダである。

他者比較をしている間は、当たり前だが自分のことは何もできない。本来、そこに消費する時間は自己研鑽や教養、ビジネスをする時間に当てることができたであろう人生の資源なのだ。時間はお金と違って増やすことはできない。それをただただコストを垂れ流す投資不適格資産へ投資するのはムダでしかない。

人生は驚くほど短い。特に人生前半の若い時間は後半とは比較にならない価値がある。それを自分に使わないのは本当にもったいないことだ。年をとるともうできなくなってしまうことはたくさんある。そこに気づけば他人なんて見ずに、自分を高めることだけに集中できるはずだ。

一番いい方法はSNSをアンインストールすることだ。SNSは情報収集や交流に活用できる点は便利なのだが、うまく使いこなす力がないと他者比較を刺激して、人生の時間とお金をムダに吸い取られて終わる破滅のツールになりえる。最近は詐欺被害の温床にもなっている。SNSを上手に使いこなせる胆力と自信がないなら、最初から一切使わない方がいいだろう。

 

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