なぜ東京の都心にカワセミがいるのか?:柳瀬博一「カワセミ都市トーキョー」

「流域思考」で紐解く「なぜ東京の都心にカワセミがいるのか?」の謎。

現在この動画を撮っているのは、北九州の実家です。ブリスベン空港へ着いてチェックインしたところ、なんと!「おめでとうございます!席をビジネスクラスへアップデートさせていただきました」と、突然のプレゼントで今年初のフライトは超ラッキーでした。

ということで、この本は、キンドルで日本へ帰国するビジネスクラスのフライトで、実に贅沢な読書となりました。しかし、白黒のキンドルでの読書だったので、実家に送っていた紙の本で、じっくりカワセミの写真を堪能したところです。

コロナ禍で大学の授業が急遽オンラインに変わり、学生もキャンパスから姿を消した2020年以降、僕が勤めるオーストラリアのクイーンズランド大学のオフィスがあるビルの一階のカフェ、Lakeside Cafeに毎朝顔を出す笑いカワセミ(クッカバラ)の写真をツイッターで呟くのが日課になっていました。

そんな中、2021年7月27日、東京工業大学の柳瀬博一教授のカワセミの写真と共に呟いた「大都会カワセミのお父さんと息子。ここのお父さんは歴戦の勇士でもう羽がぼろぼろ。息子はまだまだ甘えん坊の顔。」を目にして、「おや?日本のカワセミは東京とかの大都会にいないのでは?ほんとに東京で撮った写真なのか?」という疑問が湧きました。

そして思わず僕が毎朝目にする笑いカワセミの写真と共に、「日本のカワセミの方がカラフルですね。笑いカワセミとは違う系統の鳥なのでしょうか。。。」という、リツイートを柳瀬博一教授にしたのです。

それが柳瀬博一教授とお知り合いになれたきっかけでした。

本書、 柳瀬博一(著)「カワセミ都市トーキョー: 「幻の鳥」はなぜ高級住宅街で暮らすのか」を読んでまず驚いたのは、東京のど真ん中にカワセミがいるのか?ということです。

そして、さらに驚いたのは、柳瀬さんが東京のカワセミをツイッターで呟き始めたのが2021年5月。つまり、僕が柳瀬さんのカワセミの写真に反応して笑いカワセミの写真をリツイ2021年7月の27月の2ヶ月前から2023年後半までの記録が、この「カワセミ都市トーキョー」だという偶然性です。

当初の経緯、その後の三つの川(本書では、生態系保全の観点から川の場所の特定を避けるため、A、B、C川)でのカワセミ定点観察・写真撮影が本になり、僕はこの本の初期の段階からのリアルタイムの「目撃者」となっているわけです。

そして、僕の疑問「東京の都心にカワセミがいるの?」を「小流域」のキーワードでの考察で解いていくことを「刑事コロンボ」の手法(初めに犯人を見せて、後から謎解きをする方法)を用いることで、臨場感溢れてグイグイと読ませる本となっているのです。

【後日談】柳瀬さんとツイッター上でお知り合いになった2021年8月18月1日に、 柳瀬博一(著)「国道16号線―「日本」を創った道―」をキンドルで購入して読み始めました(書評動画は、 【研究者の書評-25】柳瀬博一 (著) 「国道16号線 -「日本」を創った道 -」)。

そして、僕は岸由二慶應義塾大学名誉教授の提唱する「流域思考」に傾倒していくことになるのです。僕が、柳瀬さんの師匠の岸由二先生とお知り合いになれた経緯はまた別の機会にしたいと思います。

「小流域地形が人々を呼び寄せ、政治と経済と文化を産んだ、というストリーを展開した」柳瀬博一(著)「国道16号線―「日本」を創った道―」。その続きの本書「カワセミ都市トーキョー」は「東京都新に残された自然が、やはり小流域地形を拠点としており、カワセミも人間も小流域の住民であることを証明する話になった」そうです。

その二冊、そして、「カワセミの眼を通じて東京という街を「小流域」思考で解く」アイディアの元となる、 岸由二(著)「生きのびるための流域思考」、。3冊の本は僕からの超お勧めの本となりました。

豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めているノギタ教授のYouTubeチャンネル「ノギタ教授」。チャンネル登録よろしくお願いいたします。