派閥の行方

「各派閥や議員がけじめをつけ、説明責任を果たすことが大変重要だ。政治の信頼回復のため努力を続けたい。(岸田派解散表明について)岸田派の元会計責任者が刑事責任を問われた。けじめをつけなければ、政治刷新本部の議論をリードすることは許されない。」

上記は今週月曜日、同本部で発したとされる岸田さんの言です。同日示された中間取りまとめ「骨子」には派閥の在り方につき、「いわゆる派閥の解消、派閥から真の政策集団へ。カギは政策集団がお金と人事から完全に決別すること」等々と記され、一昨日中間取りまとめ案が大筋で了承されたようです。

派閥の存廃を巡っては様々な人が功罪両面から色々な指摘を行っていますが、それを判断するのは言うまでもなく一つに政治家自身でありましょう。そしてまた私は併せて、自民党員にも広く意見を求めるべきだと思います。と言いますのも15年前の夏、「一度民主党に政権を担わせて見れば良い」と国民が動いた状況と同じかそれ以上に、政治不信と言うか自民党不信があるような気がするからです。実際直近の世論調査で自民党支持率は、例えば「野党時代を除いて1960年の調査開始以来最低の14.6%」とか「25%(前回28%)で、政権復帰以降最低を更新」といった有り様です。

自民党に対する信頼というのは地に落ちてしまいました。「政治にはカネがかかる」――経済政策遂行に当たってお金が要るという部分はあっても良いですが、選挙に勝つ為お金が使われるというのでは本末転倒だと思います。清き一票を得るに本当にお金が必要か、私も非常に疑問視しています。今時分もう少し有効なお金の使い方があるのではないでしょうか。

政治の根本およびその得失を論じた『申鑒(しんかん)』を著し献帝に奉った後漢の学者である荀悦(じゅんえつ)は、当思想書の中で「政を致すの術は、先ず、四患を屏(しりぞ)く」として「偽私放奢」の四つの患(わざわい)を挙げています。此の「亡国への道」としての偽私放奢、「偽…二枚舌、公約違反のたぐい」「私…私心、或いは私利私欲」「放…放漫、節度のない状態」「奢…贅沢、ムダ使い、或いは心の驕り」とは、「この中の一つが目立っても国は傾く」というものです。

『論語』には「信なくんば立たず」(顔淵第十二の七)という政治の要諦がありますが、自民党不信が払拭されて行かなければ最早その政治は成り立たなくなるのです。従って派閥の行方につき派閥の領袖中心というのではなくて、今日にも決定される中間取りまとめを踏まえ、民意を問い民主的評決を得るべくして、取り敢えず党員の声も広く求めるべきだと思います。


編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2024年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。