静岡きっての観光名所の宝庫、伊豆地方。なかなか行く機会に恵まれなかったのですが、年末年始ようやく訪ねることができました。半島内どこを取っても観光名所が目白押しなんですが、その中から今回選んだのは「城ケ崎海岸」でした。
「じょうがさき」。なんかカッコよくありません? そういえばちびまる子ちゃんでクラスのアイドル的なキャラクターの子が城ケ崎さんでしたっけ。そのイメージに引っ張られているのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、そんな城ケ崎海岸は海岸沿いに遊歩道が整備されていて太平洋を眺めながらウォーキングを楽しむことができるということで、早速行ってみることにしました。
旅の始まりは富戸(ふと)駅。一駅先に城ケ崎海岸駅がありますが、ここから歩いて海に降りていきます。駅から海岸に降りる道は民家が並ぶのどかな光景。海を眺めながらぶらぶら歩きます。
太平洋まで出てきました。こちらは宇根展望台。冬だからかもしれませんが観光客はおらずここからの絶景を独り占めで来ました。宇根展望台から対岸を見るとかなりの絶壁。縦に石が割れていて柱状節理になっているのがわかります。柱状節理とは溶岩が流れ出たあと冷えて収縮するときにきれいな多角形状になってできた柱上の岩石の集合体。この土地は溶岩でできていることがわかります。
この溶岩は4000年ほど前にこちら、大室山が噴火した際に流れ出たもの。きれいな円錐筒状の形をした大室山も伊豆の観光名所ですね。ここから流れ出た溶岩は城ケ崎海岸の方にも流れ出て今の海岸を形成しました。宇根展望台と城ケ崎海岸の間の部分(城ケ崎海岸の北部)は溶岩が流れなかったため地質が全く異なっています。伊豆半島の成り立ちが知れて面白いですよね。
そんな蘊蓄を語りながら南に歩を進めます。外海の荒波の向こうに見えるのは伊豆大島。間を漁船が航行していきます。
漁船は富戸港から出ているようです。断崖絶壁の多いこの地域にあっては港を作れる貴重な場所です。
ダイビングのお店がいくつかあってダイビングスポットとしても有名なようです。
富戸港を過ぎてしばらく歩くといよいよ「城ケ崎ピクニカルコース」に入ります。
海岸沿いのピクニカルコースにはいくつかのビュースポットが点在しています。こちらの魚見小屋は江戸時代から昭和30年代に行われていたボラの追い込み漁の際に使われた見張り小屋で、伝統的な漁の歴史を今に伝えています。
大砲台の後も発見しました!伊豆といえばペリーが来航した下田がある場所。徳川幕府が韮山代官江川英龍に命じて作らせ、守らせた砲台です。江川英龍はのちに大砲の弾を作る韮山反射炉の築造を始める人物です。
魚見小屋から歩いて15分ほど。ここまではすれちがう人もほとんどおらず寂しかったんですが、急に人がたくさんいるスポットに来ました。
ここは門脇吊橋と呼ばれ城ケ崎ピクニカルコースで一番のビュースポットです。吊り橋はビル7階ほどの高さ。この高さから眺める断崖絶壁と広大な太平洋は壮観です。
吊り橋は100人乗っても大丈夫!(イ〇バ物置みたい)ですが、やっぱりちょっと怖い。
伊豆大島と城ケ崎の断崖絶壁を吊り橋の上から望みます。この日は穏やかな日で頑丈な吊り橋なので安心して渡れましたが風の強い日はそれでもやっぱり怖いでしょうね。吊り橋の近くには駐車場があって、ここだけを訪ねることが可能なんですが、ここはやっぱりピクニカルコースを歩いて伊豆の海岸線を味わったうえで橋を渡ることをお勧めします。
吊り橋のすぐ近くには門脇崎灯台があります。この上から眺める景色も絶景!なんだそうですが、写真を撮るのに夢中になりピクニカルコースの終点から伊豆高原駅に向かうバスの時間が迫ってきていたので先を急ぎます。
少し急ぎ目に歩いてバス停のある「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」前に到着!!しましたが、バスはちょうど行ってしまったあとでした。。。バスは日中1時間に一本。時計を確認しながら観光しましょう。
予定を変更してさらに30分歩いて城ヶ崎海岸駅に来ました。上り坂でこのウォーキングが一番つらかったです。ただ駅はログハウス風でキレイ。
駅前の桜並木も桜のシーズンに歩いたら楽しそうです。
城ヶ崎海岸駅に来たら名物の足湯「ぽっぽの湯」に入ろう!と楽しみにしていたんですが、3年前に駅が無人化されて以降利用休止中。こちらも残念でした。いつか再開してもらいたいですね。
というわけで、城ヶ崎海岸駅から伊豆高原駅まで出て、伊豆高原ビールでひとり打ち上げしました。歩いた後のビールはうまい!体にしみる!
富戸から城ヶ崎海岸ピクニカルコースを歩き伊豆の海岸を楽しむウォーキング。断崖絶壁の上から眺める伊豆の海は爽快で心が洗われました。冬の穏やかな晴れた日は絶好のウォーキング日和です。この季節こそ伊豆の海をゆっくり歩いて楽しんでみてはいかがでしょうか。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年2月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。