小田急線沿いの隠れ家:カタルーニャ料理レストラン・カサマイヤ

出口 里佐

本日は、先週友人とランチに伺いました、小田急線玉川学園前駅から徒歩6分の、カタルーニャ料理レストラン、カサマイヤをご紹介します。以前、5年くらいこちらの料理教室に通っていて、もちろん食事にも夫や友人達と何度も伺っている、お気に入りのお店です。

カタルーニャの名店で6年以上修業された、増渕友子シェフの作るお料理は、海と山の食材を両方使い、野菜もたっぷり。地中海でつながる、ニンニクやオリーブオイルを使う、イタリア料理にも似ているようでちがう、カタルーニャ地方の料理のエッセンスを感じます。

カサマイヤのエントランス。玉川学園前駅まえの大通り沿いのマンションの並ぶところから、右に曲がってすぐ。

ランチは3つのコースから、予約時に選びます。

  1. マイヤランチコース(2000円):サラダ+メイン(フィデウアorアロスネグラ+コーヒー)
  2. ピカピカランチコース(3800円):小皿8品+パエリア+コーヒー
  3. おまかせコース(5800円):突き出し+料理4皿+デザート+コーヒーetc

今回は、3.のおまかせコース(5800円)を選びました。

飲み物(コースとは別)は、ワインが合うはずですが、アルコールが苦手な私は、こちらではいつもVichy Catalan。塩が少し入っている炭酸水です。お料理にもぴったりで、爽やかです。お店にはカタルーニャやスペインのワインもそろっているそう。

塩が少し入っている炭酸水。といっても、しょっぱいほどではありません。冷やして飲むとお料理にぴったり。
ガラス瓶の柄が、バルセロナのガウディのタイルぽい。

コースの最初の、3種のアミューズは、鱈のコロッケ、サーモンムース、ポロ葱とじゃがいものポタージュ。

アミューズ3種。左から、鱈のコロッケ、サーモンのムース、ポロ葱とじゃがいものポタージュ。

日本では珍しいポロ葱は、契約農家さんが栽培しているのを直接仕入れているそうです。ポタージュは揚げたてのコロッケとともに、熱々で暖まりました。

牡蠣のコンフィ、紅芯大根とピンクペッパーのサラダ。牡蠣がプルプル、柔らか。火を入れ過ぎない、コンフィという食べ方は牡蠣の美味しさを引き出すんだなぁと実感です。

牡蠣のコンフィ、紅芯大根のサラダ。牡蠣がプルプル。

自家製バゲット。美味しいんです!

焼き下仁田ネギとブティファラ、ロメスコソースとトリンチャット。ブティファラ(自家製ソーセージ)は、噛みしめるとジュワッと肉汁がお口一杯に広がります。テイクアウトも出来ます。下仁田ネギが、てっぺんから根っこの上まで、ちょうど可愛くお皿のサイズに収まって、まるで誂えたみたいでした。

ブティファラの下に敷かれた、トリンチャットは、茹でたキャベツとじゃがいものマッシュしたのをソテーしたもので、とても優しい味わい。肉肉しい、ソーセージを柔らかく受け止めている感じです。

下仁田ネギ、自家製ブティファラ、トリンチャット、ロメスコソース。
下仁田ネギのサイズがお皿に誂えたようにぴったり。

フィデウアは、短いパスタのパエリア。イカのワタと鯛の出汁の旨みが、パスタ全体に染み込んで、もっとたくさん食べたいなと思わせる、危険な味わい。今回も予約時に、これを入れてくださいとお願いしました。アイオリソースがアクセントです。

フィデウアはパスタのパエリア。シェフが、2人分を目の前で、取り分けてくれます。

フィデウアは、イカのワタと鯛の出汁の旨みが染み込んだパスタのパエリア。真ん中には、ニンニクとオリーブオイルの、アイオリソース。

フィデウア、こんな風に盛り付けてくれます。いくらでも食べられそうな、危険な美味しさ!

牛肉の赤ワイン煮と緑が鮮やかな菜の花。赤ワインソースには微かにチョコレートの隠し味。牛肉はとても柔らかで、ナイフを入れなくても食べられるくらいでした。

メイン、牛肉の赤ワイン煮込みと菜の花。ソースは、ほんのりとチョコレートが隠し味。

カタルーニャ料理は、ピカーダという、ナッツ、ハーブ、チョコレート、ビスコッティなどを少量スープと一緒にミキサーで砕いて混ぜたソースを煮込み料理に使うことが多く、料理教室でも教えてもらいました。このメインにもピカーダが使われていたのかもしれません。

お口直しの柚子のソルベ。酸味がキリッと爽やかです。

お口直しの柚子のソルベ。

デザートは最初に選ぶのですが、友人とさんざん迷って、違うものを頼んで少しずつ味見しようと、友人は、「私を狂わせるフラン(プリン)」、私は、「チーズケーキとレモンのジェラート」に決めました。シェフは私達の様子を察して、味見用に小さいお皿も2枚出してくださいました。ありがたいです。

「私を狂わせるフラン(プリン)」とにかく、一度召し上がってみてください。まずは、美しい外見を少し愛でて、それから味わいましょう。

こちらのプリンは、シェフのライフワークとご自身でメニューに表現しているほどの渾身のデザート。初めてカサマイヤにいらしたなら、ぜひとも召し上がって欲しいです。

まず見た目が美しいので、少し愛でてから。そして、固め、柔らかめ、と、世の中にプリンは色々とありますが、絶妙です。甘さも程よく、卵の味わいや、カラメルソースとのバランス。これほどのプリンは、なかなか無いと思います。

チーズケーキとレモンのジェラート。濃厚なチーズの味わい。

チーズケーキは、タルト生地の上の部分を低温で焼き上げているので、クリーム色の美しい色のまま、濃厚なチーズの美味しさを味わえます。お塩が少しトッピングされていて、甘さを引き立てています。

食後の飲み物も、コーヒー、エスプレッソ、エスプレッソダブル、紅茶、ハーブティーなどを選べます。

夏には、スイカのガスパチョという、友子シェフがカタルーニャ料理をアレンジした、超美味しい真っ赤な冷製スープが登場します。料理教室で教えていただいてから、何回作ったかわからないほど、リピートしています。

また年末近くには、ポルボロンというラードを使った、焼き菓子がテイクアウトで登場します。以前友人の分もお土産に買って帰って、あまりに美味しいので、ひとりで食べてしまったくらいです。

四季折々で、シェフの料理が楽しめますので、季節ごとに訪れるのもおすすめです。

料理教室は残念ながら、コロナ禍以降お休みされていますが、再開してくれると良いなと思っているのは、私だけでは無いでしょう。

赤い壁と棚には、カタルーニャにちなんだオブジェ。

店内は、8席のカウンターと4席テーブルが2つ。カウンターには、バルセロナのガウディの作品を思わせる素敵なタイル、テーブル席の近くは、落ち着いた赤の壁面の棚に、カタルーニャにちなんだオブジェ、カタルーニャ出身の画家の絵画も飾られています。

可愛いらしいオブジェ

カサマイヤまでは、新宿駅から30分ちょっとです。美味しいものが好きなお友達やご家族、大切な人を誘って、訪れてみてはいかがでしょうか。

カタルーニャ厨房カサマイヤ