薪ストーブの煤煙を測定し訴訟に勝利した話

adgafoto/iStock

本稿では薪ストーブによる煙害について、空気質を測定し煙害被害を数値化・可視化し、裁判所で【良い結果を得た】という事例を手短に紹介しよう。

これは筆者が懇意にして頂いている、Scapelerの主力メンバであるオランダのディーター・ピエントカ氏が実際に行動を起こし、訴訟に至るまでの概要を紹介した記事である。

ディーター・ピエントカ氏夫妻は、自身が隣人の薪ストーブの煤煙により受けている健康被害の原因と見られる空気汚染被害の証拠を、エアモニタによって連続自動記録し、その一連の測定値を以て裁判に打って出た。

それ以前にも自治体に対し再三の調査や対応を要望したが、悉く無視された末の行動であった。

自治体が無視する点は日本国の自治体のすべてが同じ対応(薪ストーブ煙害の無視放置)をとっている点で共通している。

しかし欧米諸国のトレンドは「薪ストーブ規制」であることはまぎれもない事実であるし、それも日増しに強化されている。

日本国の各自治体はそろそろ覚悟をしておいたほうがよかろう。

判決の詳細は不明だが、この記事から読み取れる点は以下である(自動翻訳がおかしいのは毎度だが)。

私人の測定に信用性を認め、自治体職員の怠慢を指摘したという点は、所期の目的を達したということができるだろう。

1.データは信用できると判断

隣人の薪ストーブによる煤煙が原告に対し迷惑で有害な被害を与えている事実に対し、彼ら自身が空気の測定や気象条件・写真等を駆使して実行した煤煙被害の記録を「信用できる」とし、彼らの被害の実情を最高行政裁判所の裁判官が納得したこと。

2.自治体職員の怠慢を指摘

行政府がいい加減な態度できちんと調査をしなかったことを裁判官が指摘し、役人に対し煙害の再調査を命じた。

行政府の役人はディーター・ピエントカ氏の要望を無視し、薪ストーブが使用されていない時に素通りして「調査した」との不真面目な対応を問題視したこと。

Scapeler | Innovatie met Open Data, IoT en Citizen Science

Scapelerのサイト


編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2023年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。