プーチンの本音、プーチンの本質

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プーチンの本音

2月5日、元アメリカFOXテレビのアンカーだったタッカー・カールソン(Tucker Carlson:Tucker Carlson Network)がプーチンへの長時間インタビューを行った。長年、プーチンの発言を見てきた人々やウクライナ侵攻以後のプーチンの発言を見てきた人は、インタビューの中身に特段の内容は無かったと見ている。

問題は、プーチンの底意、目的がどこにあるのか?という点だ。

ベラルーシの反政府系メディアNEXTA(ネフタ:@nexta_tv)は、ミュンヘン会議議長が「プーチンはウクライナの次にモルドバとバルト三国を狙っていると」とラインポスト紙(Rheinische Post)に語った内容を取り上げ、プーチンの目的が歴史を帝国主義時代に巻き戻して、プーチンの理想国家であるソヴィエト連邦の再興にあるとの見方を示した。

プーチンの帝国主義、覇権主義は、エリツィンの時代に遡る。KGB出身のプーチンは、政治家の背後に暗躍して情報戦を制することが政治的に優位に立てると考えており、それはサンクト・ペテルブルク時代から一貫していて、彼にとっての政治活動とは手段を選ばず権力者に上り詰めることであり、それ以上でもそれ以下でもない。

プーチンはトップに上り詰めることが目的であって、その最終目標がソヴィエト連邦の再興にあることは容易に想像できる。プーチンは旧ソヴィエト連邦こそが自らの理想国家であり、今のロシアはソヴィエト時代のロシアになることで、再びアメリカと二分する大国になれると本気で信じている。また、ロシアはそうなるべき国であって、最終目標を果たした歴史の偉人になることこそがプーチンの目的なのだ。

そんなプーチンの妄想は、所詮ただの妄想に過ぎないことは、今回のウクライナ侵攻によって世界が知るところとなった。国際社会が怒っているのは、プーチンの思い上がりでウクライナ国民、ロシア国民が犠牲になっているという点だ。

プーチンがやっていることは、まるで文化大革命時代の毛沢東、経済が崩壊しつつある今の習近平、自国民が飢え死にしてもへっちゃらの金正恩、国家の統制機構が崩壊しているベネズエラのマドゥロと同じではないか?と考えているのである。そして、今回のタッカー・カールソンのインタビューに見るまでもなく、プーチンは歴史修正主義的発言を繰り返してきた。

歴史学者の多くが言うように、プーチンの歴史観は、ロシアの側から見ればそうかもしれないが、歴史の事実はプーチンの妄想を真っ向から否定している。何より問題なのは、武力による国境線の変更は、国連創設以来、断じて許されるものではなく、また国連常任理事国がそれを行ったことが問題なのだ。

以後、

・プーチンの本質
・安倍晋三とプーチンと習近平と

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。