グラレコで情報発信のプロになる

今回、元FM802アナウンサーで、現在フリーナレーターとして活動している、下間都代子さんが主宰するClubhouse(音声SNS)の「耳ビジ★耳で読むビジネス書」に出演してきました。5000名近いリスナーを抱える人気番組です。

実際に体験したグラレコの極意

本番組は、一冊を月曜日~金曜日の5日間にわたって紹介することや、著者とのトークのなかから表面では見えにくい本音をあぶり出す点にあります。今回は、新刊「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)を取り上げていただきました。

そして、新たな気づきがありました。それはグラレコです。グラレコとは、グラフィックレコーディングの略で、会議やプレゼンの内容を絵や図形などのグラフィックでまとめる手法です。文章だけの情報よりもわかりやすく印象に残りやすいというメリットがあります。

俳優、イラストレーターとして活動する、堀部由加里(ホリベユカリ)さんが、私が登場した時の様子をまとめてくださいました。

ここで紹介するのは最終日のグラレコですがよくまとまっています。私の似顔絵もそっくりです!

最終日のグラレコ

なお、堀部さんのグラレコはこちらからご覧になれます。

耳ビジ★耳で読むビジネス書(『情報発信のプロがやっている 読書を自分の武器にする技術』尾藤克之さん著)

https://note.com/hightech_horibe/n/na3a1e35ec45c

グラレコは絵の上手さは関係なく、図形や矢印などを組み合わせてアイコンを作ったり、レイアウトを工夫したりすることで、誰でもできるスキルです。レイアウトには、タイムライン型や吹き出し型、発散型などがあり、話の内容や見せる人に合わせて適切なものを選びます。

難しいこと、複雑なこともできるだけシンプルに表現し、要点をとらえつつ、前後関係などもわかるようにまとめるのが、グラレコ上級者のスキルということになるのでしょう。

グラレコを活用する場面は、会議やミーティング、セミナーやワークショップ、プレゼン資料作成などがあります。グラレコを取り入れると、議論の整理や活性化、振り返りに役立つだけでなく、情報を視覚的に伝えることができます。

マインドマップとの違いはなに?

グラレコは記録に残した場面が終わったあとも、場の臨場感を思い出させる力があります。そういえば、同じように記録に残しながら思い出させる手法がありました。その時、マインドマップを思い出していました。

マインドマップは教育者のトニー・ブザンによって考案された思考の表現方法です。10余年前、コンサルティング会社、研修会社を中心に爆発的に広まりました。現在でも、使っている人は多いようですが耳にしなくなりました。

マインドマップは、思考を整理したりアイデアを発想したりするのに有効な手法ですが、使えない場面が多いのです。バラバラの情報を一つのテーマに関連付けて整理するのが得意ですが、すでに整理された情報や要点が明確なテーマに対しては向きません。

すでに整理されているということは、マインドマップを使わなくても、内容が理解できるからです。さらに、マッピングのデザインにこだわりすぎたり、全ての情報を詰め込もうとしたりすると手間がかかり、思考が停止してしまいます。

つまり、同じ思考を整理するためのマッピングであってもグラレコのほうがはるかに理解しやすいし、便利だと言えるわけです。グラレコはこれからも発展していくと考えています。

コミュニケーションの多様化に対応できる、グラレコは、言語や文化の違いを超えて、情報や感情を伝えることができます。オンラインやリモートでも活用できるので、コミュニケーションの形態が変化しても適応できます。

知的創造力の向上に貢献できるグラレコは、自分の思考を整理し他者を理解ことにも役立ちます。教育やビジネスの場面に活用し、社会課題の解決に寄与することが期待されています。

尾藤 克之(コラムニスト、著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)