自分の言葉が未来を作る! ポジティブな言葉と冷静さのコツ

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「失敗してもすぐに立ち直れるようになった」
「人間関係がラクになった」

元アナウンサーが「脳の仕組み」を活用し好循環になれる方法を明かします。

ストレスフリーの人がやっている ポジティブ・フレーズ言いかえ事典」(片山三喜子 著)大和出版

ポジティブな感情が結果を変える

「家を出るのが遅くなり、予定の電車に遅れそう」、「わあ、どうしよう。時間がない。間に合うかな? 遅刻だ」、「頼まれていた仕事を忘れていた」など日常生活でトラブルは付きものです。片山さんは次のように答えます。

「自分の思うようにいかずに困ったことが起こったとき、どんな言葉が出てくるでしょうか?必要なものが見つからないとき、約束の時間に遅れそうなとき、急いで家を出なければいけないのに鍵が見つからないとき、仕事でミスしたとき。 些細なことから、大きなことまで、自分の思い通りにならないことはよくあります」(片山さん)

「じつは、無意識に出てくる言葉が、自分自身に大きな影響を与えています。こんなときは、まず自分自身にかけている言葉を意識してみてください。たとえば、約束の時間に遅れそうなとき、思わず『どうしよう』という言葉が出るか、『大丈夫! 間に合う』という言葉が出るかで、感情が変わってきます」(同)

パニックに陥ると、過去のうまくいかなったことが思い出され不安が強くなるもの。さらに焦って結果は好ましくないものになってしまいます。片山さんは次のように言います。

「一方で『大丈夫! 間に合う』という言葉が出ることで、『大丈夫! うまくいく』という気持ちになり、落ち着いて準備に集中することができ結果として時間に間に合わせることができます。無意識に自分にかけている言葉で、感情が変わり行動も結果も違ってきます。日常、よくある困った場面で自分にどんな言葉をかけているか、ぜひチェックしてみましょう」(片山さん)

冷静さを取り戻すには何秒かかる?

片山さんはアナウンサーという仕事柄、冷静さを保つために感情のあり方を重視していることがわかります。これは学説的にも正しい考えと言えます。

皆さまは、EQ理論をご存知でしょうか? EQ(emotional intelligence quotient)は自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知性を意味します。

EQ理論を確立させた、イェール大学のピーター・サロベイ博士、ニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士との共同研究をおこなっていた、EQJAPAN,incという組織がありました。

私は統括ディレクターとして、戦略とソリューション、営業を統括する立場にあり、約2000社の日本企業に導入を果たしました。

怒りの感情は、フラストレーションを高めて情動(感情)のパニックを引き起こします。自分にとって大事なものを遮断された時の感情に近いのです。怒りをコントロールすることは適切な人間関係を育むうえで必要なスキルといえます。

では、情動がパニックを引き起こすとどうなるのでしょうか? 怒りは、自分の身を守るために欠かせない本能です。ところが、怒りに振り回されていると、冷静な判断力が低下し、衝動的な言動を取りやすくなります。情動が平静を取り戻すには6秒が必要と言われています。

もし、何らかのトラブルに巻き込まれたら、冷静に6秒我慢すればいいのです。無鉄砲な行動は好ましくない結果を引き起こします。パニックを感じたら、目を閉じて6秒数えましょう。静かに目を開けたら既にパニックは通り過ぎているかも知れません。

本書を読むことで、日常における感情のあり方の大切さが理解できることでしょう。

尾藤 克之(コラムニスト、著述家)

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