がけっぷち最南端!伊豆半島・石廊崎へ

伊豆半島の旅もいよいよ大詰めです。人生で初めて伊豆半島で最も南にある南伊豆町を訪ねているのですが、せっかくなので半島最南端の石廊(いろう)崎を訪ねることにします。ちなみに私は岬などの地理上の先端に行くと言いようのない達成感を覚える「先っちょマニア」です。

伊豆半島を何十キロも南下してようやくたどり着く石廊崎。ドライブの途中で眺める海の景色も美しく、南の果てまで来たぞ!という気持ちにさせてくれますが、静岡県の南端はここではなく西に位置する御前崎です。駿河湾がいかに奥深くまで入り込んでいるかわかりますね。

車で石廊崎に到着しました。駐車場からも灯台が眺められます。あそこまで徒歩7分ほど。歩いて灯台、そして「その先」を目指します。

歩いていると、白い石垣が現れました。この先、石廊崎の先端には「石室(いろう)神社」があって崖の石窟部分に社殿が造営されている珍しい神社になっています。

これが社殿。すぐ下に海を望む結構急な階段を下りた場所にあります。

この奥でお参りを済ませて最先端に向かうのです。

ちなみにこちらがその階段から撮った写真。写真だとあまり伝わらないんですが実際行くと結構急なので高いところが苦手な方は足がすくむと思います。

そしてこちらが石廊崎の最先端。ごつごつした岩場が海に突き出ていて、その先まで遊歩道を伝って歩いていくことができます。この岬の右手は駿河湾、左手は相模湾となる海の境目です。伊豆半島は全国有数の火山地帯ですが海底にも火山があります。石廊崎は太古の昔に海底火山が噴火したことでできた岬。周辺の岩はその噴火で流出した溶岩が冷え固まったものです。

岬の先端にも神社がありました。ここは熊野神社でさきほどの石室神社とは別の神社です。かつては容易にたどり着けなかっただろう崖の先端。近づきがたい場所には神が宿ると考えられ崇められてきたのでしょう。

腰が引けながらも石廊崎の先端までやってきました。海を渡る船が太陽光を反射する水面の中を通り過ぎていきます。こういう景色はいつまでも見ていたいですね。

この日は天気も良く、遥か先の伊豆諸島もうっすら望むことができました。左手の一番くっきり写っているのは神子(みこ)元島。伊豆大島をはじめ利島や新島、式根島、三宅島などが顔を見せてくれます。実は伊豆諸島はまだ行ったことがありません。あそこまでいってみたいなぁと旅情を掻き立てられます…が、崖の上で遮るものがなく、風が強くなってきましたのでそろそろ退散します。

石廊崎の西岸もかなりごつごつした岩場です。その先端に何人か釣り人がいます。大波が来たら浚われそうな場所ですが、ここは良質な釣り場になっていて、船がここまで運んでくれるそうです。

最後に石廊崎灯台に立ち寄りましょう。今あるのは平成5年に建て替えられたものですが、初めてこの地に灯台が建てられたのは明治4年のこと。灯台の黎明期からこの地に建っておりいかにこの岬が海上交通上重要な場所にあるかを窺い知ることができます。

石廊崎岬めぐりの遊覧船が出発していきました。ここから西には猪鼻やヒリゾ浜などの岬や岩場などの観光ポイントがあってそちらを周ります。海から崖を見上げるのもさぞ絶景でしょうね。

大海原を存分に堪能できる岬、わたしは大好きです。石廊崎では灯台などに登る必要もない天然の展望台からその絶景を楽しむことができます。伊豆半島にドライブに来たなら是非!南の先端、石廊崎でその絶景を目に焼き付けに来てください。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年2月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。