黒坂岳央です。
「健康の為なら死んでもいい」と言わんばかりに健康教、健康オタクの人が知り合いに何人もいる。
「水道水を煮沸するとトリハロメタンという毒が出る」
「加工肉の亜硝酸ナトリウムは猛毒」
「フライパンに塗られたフッ素加工はやばい」
こうした考えをする人たちだ。だが、こうした人達は必ずしも健康を維持できているわけではない。皮肉なことに平均寿命より先にお迎えが来てしまう人もいる。さらに外見が若々しく、メンタルも元気いっぱいというわけでもなく、どちらかといえば強迫観念的に健康を追いかけているという印象を受ける。
Xではまさにこのような事例に当てはまる投稿があり、多くの反響がある。健康を意識していたにも関わらず、末期がんになってしまったというのだ。
酒も赤身肉も加工肉も脂肪分も体に良くない事は分かってるんやけどさ、ものすごく健康に気を使って摂生した生活を何年も送った末に末期癌になって自分が今まで気をつけて我慢してた事って何なんだろうって泣いてた患者さんも知ってるから、少し気をつけるくらいがいいのかなって思ってる。
— Dr. Cat (@dramerica88) February 21, 2024
その一方で、若い頃から比較的不摂生でジャンクフードと炭酸飲料が大好きなのに、80半ばを超えてかくしゃくとした老人もいる。この差は一体なんだろうか?
結局、本人の生命力次第
自分自身、かなり健康意識は高い方だと思っている。毎日運動をし、タバコも酒もせず、就寝前の食事を控え、毎日スマートメーターで健康状態をチェックして改善を繰り返している。だが、あくまでほどほどだ。
旅行先の朝食では加工肉も食べることもあるし、量とタイミングは考えるがデザートも好きだ。タバコや深酒など極端な毒はさておき、結局、その人が健康かどうかは最後は生まれ持った生命力でかなりの程度決まるだろうと考えている。
健康や寿命は遺伝的要素より、後天的な生活環境の影響が大きいと主張する研究者は存在する。理屈の上ではそれは間違いなく正しいし、件の通り自分も明確かつインパクトの大きい毒は避けている。だが、些末な毒からも逃げ続け、QOLを著しく下げてまで摂生を続けた結果、とうとう末期がんになってしまう人はいるし散々、楽しみを先送りにし続けた本人がこの末路ではとうてい納得がいかないだろう。
個々人の生命力がかなりのウェイトを占めるという仮説が正しいなら、過剰な摂生は本当に正しいのか?この疑問が生まれる。
◇
不摂生が毒なら、極端な摂生もまたメンタルにとっての毒だと思うのである。人生は一度きり、食事は多くの人にとって人生の質を左右する大きすぎるファクターであるため、摂生のために嗜好品を我慢しすぎるのは個人的にもったいないと思うのである。
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