「人生の分岐点」は後から振り返るまでわからない

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ポジティブ思考のせいなのか、自分の今までの人生にはほとんど後悔がありません。振り返ってみると、今の自分に至るまでにはいくつかの重要な「人生の分岐点」があったような気がします。

仕事においての分岐点を3つ挙げるとすれば、マネックスの立ち上げに参画したこと、書籍を出版したこと、そして資産デザイン研究所を立ち上げたことの3つです。

マネックスにジョインしたのはめぐり合わせとしか言いようがありません。創業者の松本大さんが大学のクラスメイトで、できたばかりの会社に遊びに行っているうちに誘われて決断しました。当時は外資系金融会社でそれなりの収入があり、その安定を捨てて社員4人のベンチャー企業に転出することには、かなり悩んだのを覚えています。

また、書籍の執筆も自由国民社の長岡さんという編集者の方が後押ししてくれた偶然から始まりました。最初の1冊が売れたお陰で次々と執筆依頼が届くようになり、40冊以上を出版。これが独立した時の信用として大きく役立ちました。

資産デザイン研究所の立ち上げも悩みに悩んで始めたことです。25年間ずっとサラリーマンをやってきて、果たして独立して仕事があるのかどうか?まったく自信はありませんでした。しかし、ダメならまた就職すれば良いと割り切ってはじめてみて、結果的には良かったと思っています。

毎日たくさんの意思決定を繰り返した結果が今の自分であり、何が人生の分岐点になっているのかは後からしかわかりません。

だから、毎回意思決定をする際にはどんなに些細なことであっても、後から後悔しない決断をすべきです。

私の意思決定の基準は「やるかやらないか、迷ったらやってみる」「もし失敗して最悪の事態になってもリカバリーできるならやってみる」「人の意見は参考にするが、最後は自分の直観」というもの。これなら思い通りにならなくても後悔はありません。

仕事だけではなくプライベートでも人生の分岐点がやってくるかもしれません。

自分の判断基準がブレないように、日々真剣に意思決定し続けるようにする。それが後悔しない人生を作ってくれると信じています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。