嫌なことを忘れる3つの方法

黒坂岳央です。

人生、長く生きているとそれなりに嫌なことを経験していくものである。特に繊細な人は物事を見る解像度が非常に高いために、普通の人が気づかないことまでしっかり拾い上げて大きなダメージを受けてしまうのである。

筆者自身、大変神経質で受ける必要のないダメージをしっかり拾っていつまでも受けるという体質だった。しかし、自分なりに嫌なことを忘れる力をスキルとして得た感覚があり、そこから人生が楽になった。それをシェアしたい。

leolintang/iStock

嫌なことを反復しない

嫌な経験、嫌な人間関係があった時、多くの人はそれを反復して何度も追体験するということをやってしまいがちだ。いろんな場所でいろんな人に愚痴をこぼしてしまうのである。

確かに愚痴をこぼした瞬間は楽になるが、その度に嫌な出来事を何度も何度も脳内で色濃く映像として再現し、自分の嫌な感情を反芻してしまっている。そのせいで、いざ目の前で聞いてくれる人がいなくなれば嫌な記憶だけが強く残ってしまう。結果、余計に辛くなるのだ。自分も昔はそれをしていた時期があった。

ではどうすればいいか?嫌な経験、嫌な人間関係は反復しない工夫をするのだ。たとえばネット上で赤の他人に嫉妬をして攻撃をしかけに行く人がいるが、嫌だなと思った相手は即ミュートやブロックをすればいい。見えなければこの世に存在しないのと同じである。職場の人間関係はなかなか逃げづらい事情があるが、少なくともSNSでまで我慢する必要はないだろう。

また、嫌な経験をしたら改善策を講じたらその後はすぐに寝てしまう。翌日以降は別のタスクで忙しく過ごせば、その内忘れる。とにかく二度と目に入れない。反復しなければ脳の情報整理の過程で自然に消されていくだろう。

悪い部分ではなくいい部分を見る

どんな物事、経験にもいい部分、悪い部分が必ずある。嫌な経験をすると悪い部分だけがクローズアップされてしまうが、意識的にいい部分を見つける努力をするのだ。

たとえば記事を書いたり、YouTube動画を出すと必ず批判を受ける。人によっては1万の応援コメントがあってもたった1つのひどい誹謗中傷に心折れて活動休止に追い込まれてしまったりする。だが、冷静に考えれば圧倒的大多数は自分を支持してくれているという事実がある。そこに目を向け、「大丈夫、大多数は支持してくれている」と考える。また、悪いコメントは見た瞬間にブロックすれば、新鮮な空気が戻ってくるだろう。

仕事で肝を冷やすような失敗をするという経験は誰しもある。その瞬間は確かにつらい。だが、成功体験は目を曇らせる一方で、失敗経験からは多くの学びがある。「初期の段階でガッツリ失敗してよかった。防止策を講じればOK」と前向きに考えれば、失敗ではなくありがたい体験へと見方を変えられるだろう。

新しい挑戦を続ける

最後に新しい挑戦を継続するのである。

嫌な記憶は忙しさが上書きしてくれる。新規の挑戦で気持ちも緊張感も高まっていれば、細かいことはどうでも良くなる。「今はそれどころではない!」とほどよいプレッシャーに打ち勝ち、新規挑戦でうまく結果を出せば古い失敗は後から輝くいい思い出になるだろう。

現在進行系で苦しんでいる人にとっては、どれも理想論に聞こえるかもしれない。だが、人間は忘却力という忘れる力がある。ビジネスの課題をごまかすことは許されないが、自身のメンタルコントロールをする上では嫌な記憶は適当にごまかしてでも、上手に前向きな気持ちを維持することにはメリットがある。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。