まだ「年金生活者」にはなりたくないのですが・・・

還暦に向けてのカウントダウンが始まると共に、想定外のものが色々と郵送されてきます。

1月から転居した中央区からは、早速区長の名前で還暦お祝いのお手紙をいただき、とてもセンスの良い「扇子」が同封されていました。果たして、どんなシチュエーションで使ったらよいか、困ってしまう渋いギフトです。

そして、社会人になって最初に勤務していた銀行の企業年金基金からは「年金支給開始」のお知らせと手続き方法が書かれたレターが届きました。

勤務期間はわずか11年だったので、企業年金の年間支給額はわずか39万円ほど。毎月にならすと3万円ほどです。もちろん頂けるものはありがたく頂きますが、スズメの涙とはまさにこのことです。

60歳男性のライフスタイルは昔に比べれば随分変わったと思います。

アニメのサザエさんに登場する波平さんは54歳で定年直前という設定です。連載が始まった頃は、男性の寿命は70年ほどで、55歳に定年退職し、引退してから15年ほど年金を受け取って余生を全うするというのが典型的パターンでした。

ところが、今や60歳になったからと言って引退したり、隠居するような人は稀です。現役時代と変わらない生活パターンを続ける人がほとんどです。私も60歳の誕生日を迎えたからと言っても、毎年の誕生日と同じように何かが急に変わる訳ではありません。

さらに、年金支給だけではなく世の中の対応は色々変わってきます。いわゆる「シニア割」が適用される飲食店や小売店もあり、航空会社や鉄道会社にも対象年齢はバラバラですが、シニア向けの特典があります。

自分は今までと何も変わらずに現役で活動したいと思っているのに、「年金生活者」にされてしまい、周りから勝手に年寄り扱いをされていく。

やはり、この国は年配者に優しすぎる。自分がいよいよ当事者になって、何とも言えない違和感を感じています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年3月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。