営業の神話を解き明かす? 普通が秘める力とは

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本書は経営者や自営業、フリーランスの方々、副業をされている方や始めようと思っている方が対象です。「売ることが楽になる考え方」がわかりやすく解説されています。

らくらく売る人のアタマの中』(今井孝 著)ぱる出版

「普通の人」こそが、売れる人

今井さんによると、営業で成果を上げる人々は実は「普通の人」です。

「営業や集客が苦手だと感じている方々もご安心ください。私のクライアントたちも最初は『売るのが苦手』と感じていました。しかし、彼らは次第に成功へと導かれ、今では講師として集客や販売の技術を教えています」と今井さんは述べています。

多くの人が営業や集客の「方法」を求めますが、「本当にそれだけで成果が出るでしょうか?」と今井さんは問いかけます。営業や集客のノウハウを学ぶことに熱心な人は多いですが、実際にはその方法を学んでも成功しないことが多いのです。

「SNSを試したけど集客に繋がらなかった。ポスティングを自分で行っている。もっと簡単な方法があると思っていた」と失望する人もいます。

そして、彼らは「普通のことしか教えてくれない」「もっと簡単で即効性のある方法があるはず」「成功者だけが知っている特別な方法を教えてほしい」と言い始めます。しかし、そうした革新的な方法は存在しないのです。

営業量がすべてを上回る

成功している営業マンや社長が何か特別なことをしていると考えがちですが、それは誤解です。私は以前、世界50カ国で展開する外資系コンサルティング会社に勤めていました。

そこでは毎年、トップコンサルタントとして表彰され、ある年には世界1位にもなりました。しかし、私が行ったのは特別なことではありません。ごく普通のことをしただけです。

多くのコンサルタントが前年の実績を基に予測を立てる中、私は新規開拓だけで成果を出していました。ある年には世界1位にもなりました。成果が出ないコンサルタントは仕事の質を言い訳にしますが、私は営業量の多さを強調しました。

部門全体の利益の半分以上を1人で上げたこともあります。しかし、人事の段階になると、予想外の障害が現れるものです。結果として、昇進も昇給もなく、前年比10%の昇給だけで終わりました。会社への失望を感じて、年度が始まってすぐに退職しました。

メンタルブロックを解除する

今井さんは、売ることへの心のブレーキを外すことの重要性を説いています。メンタルブロック、つまり行動を妨げる思い込みを取り除くことが必要です。

ビジネスで最も重要なのは営業力です。多くの人が営業活動を苦痛と感じていますが、そのような状態では成果は期待できません。

この本を読むことで、売ることに対するネガティブな思い込みが取り除かれ、成功者の考え方を身につけることができます。ビジネス成功に不可欠な思考法を学ぶことができるでしょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)