地道な努力が実を結ぶ? SNS時代の仕事術とは

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ビジネスをスタートして売上を拡大していくには、さまざまな取り組みが必要になります。今回紹介する本書は、個人事業主・フリーランスのビジネスに関する悩みを解決し、売上につなげる方法を解説した一冊です。

ひとり起業家1年目のオンライン化と集客の悩みを解消する本』(木藤秀一著)フォレスト出版

良質なコミュニケーションの重要性

木原さんは、SNSで大切なのは「コミュニケーションの質」だと言います。コメントを受け取ったら、丁寧に返信することで親しみを深め、関係を築いていくことができます。繰り返しの交流は、人々のあなたへの好感度を高める「ザイオンス効果」を生み出します。

また、SNSを活用することで、直接会うことが難しい人々とも頻繁に接触し、関係を構築できると述べています。Facebookでは、コメントのやり取りが活発なほど、相互のホーム画面に表示されやすくなります。

交流会で知り合った人々のプロフィールページのURLをシートで管理し、定期的に「いいね」やコメントを通じて関係を維持するのがコツです。

私が外資系で有名なコンサル会社で働いていたときの話です。世界で約1000人のコンサルタントの中で売上トップになったことがあります。在籍期間中は全社で10位以下には落ちたことがありませんでした。

しかし、報酬はなかなか上がりませんでした。私は上司に不満を表明します。それがきっかけとなり、顧客を全部はがされる羽目になりました。期初にたてた目標数値が変更になることはありません。では、翌年の年度末にどうなったのでしょうか。

魔法のようなテクニックなど存在しない

じつは、世界1位の売上を計上していました。日本がヘッドオフィスですから、日本で1番=世界で1番です。誰も私にかなわなかったのです。では、私はなにか特別なことをしたのでしょうか。それは否、単純に営業量が圧倒的だったのです。

かっこよく受注できる営業ノウハウなどあるはずもなく、営業量が成果に影響を及ぼすという考えがすでに確立していました。ほかのコンサルタントが御用聞きをしている間に、毎日何社も回っていたのです。

当時の私はFAXDMを多用していました。企画書や報告書の要約をFAXで送り、多くの反応を得ていました。多い時には10%以上のレスがありました。効率的な方法を求める現代の傾向とは異なり、地道な努力が必要だと考えていました。

最近、とかく「ラクして~できる系」の本が増えました。私としては、まったく評価できません。仕事って、そんな楽ではないし、効率のいい方法などもないと思っています。

さて、木藤さんが出版した本は、フォレスト出版の新レーベルの第1号であり、処女作です。今後の成功を祈念いたします。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)