ユーモアセンスとは、面白いことを言う能力ではなく、面白いことを見つける能力です。
人気のユーモアコミュニケーショントレーナーが、ユーモアセンスを磨く心得とエクササイズを伝授します。ユーモア体質になれば、人生は変わり出すのです。
「ユーモアコミュニケーション 場の雰囲気を一瞬で変える!」(草刈マーサ著)芸術新聞社
笑われる人間になろう
人の不幸は蜜の味と言います。「あら~それは大変だったわねぇ!」なんて言いながら、心の中では「くっくっく」と笑っているかもしれません。草刈さんは次のように言います。
「いいじゃないですか。ストレス社会で甘い蜜は貴重です。 自分の小さな失敗が社会貢献にもなるのです。毎年、草刈家のおせち料理で作るのがキントンです。サツマイモを茹でて裏ごしし、砂糖を加え、鍋を火にかけて、一口味見してみたら…ブハッ、しょっぱっ!そうです。塩と砂糖を間違えたのです」(草刈さん)
「あまりの大失敗に思わず、 フェイスブックに投稿してしまいました。 その時の『いいね!』とコメントの多いこと。昔の私だったらがっかりして落ち込んでいたかもしれません。 しかし、今ではこういう時こそユーモアの出番と、どこかでほくそ笑んでいる自分がいます。何もかもが上手くいっているならユーモアは必要ないのです」(同)
人に嫌なことを言われたり、物事がうまくいかなかったり、自己嫌悪になりそうな時こそ、ユーモアは力を発揮すると、草刈さんは言うのです。
「一度くらいの失敗にめげてどうする! ロッキーになった私は坂道を駆けのぼり(車でですが)、スーパーマーケットで必要な食材を買い、再び家に戻ってきました。そして全神経を集中してキントンづくりに没頭。気持ちはキントン職人です。 『もう二度と失敗は許されない』なんて必死になってはなりません」(草刈さん)
「悪口」の表裏を理解する
人の悪口を言わない人は存在しません。「悪口」という行為に対して「それは心が醜いから」「それはいけない事だから」と説いても矛盾が残ってしまうでしょう。
矛盾ならず、人の悪口を言うことは誰にでもあることですから、心のありかたを説いても意味がないのです。悪口は、誰だって言いたくなるんだけど、できるだけ言わないように気をつけていると解釈したほうが理解はされやすくなります。
では、「悪口を言う人」とはどんな人でしょうか? 多くの人は「自分勝手な人」「コミュニケーション力が低い人」といった答えがかえってくると思います。ただしこれは正解ではありません。悪口の影響を理解しなければいけないからです。
悪口を言ったために人間関係が壊れてしまうことはよくあることです。そして、いったん壊れた人間関係は、なかなか元には戻りません。悪口の「言った」「言われた」は表裏の関係にあります。だから、口にしないことで自らを助けるのだと理解しなければいけません。汚れた心は自らに降りかかるのです。これは仏教の説法でも解かれています。
なお、本書はケースにリアリティがあることから多くの人におススメできます。上司のコネタとしても役立ちそうです。物事の正しい道筋を見つけられるかもしれません。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)