黒坂岳央です。
円安とインフレで海外旅行が高いハードルになっている状況が続いている。コロナ前の2019年8月は1ドル105円だったので、152円の現在と比べてかなり購買力は低下したので無理もないだろう。「海外旅行は高嶺の花になったので国内旅行へ」という人も増えている。だが、このトレンドに待ったをかける状況が起きている。
最近、子供が大きくなって遠方への旅行も可能になったので、国内旅行へ以前よりよく行くようになった。そこで感じたのがもはや国内旅行すら難しくなって来ている変化である。
国内旅行も高嶺の花に
コロナ前まではどこへ行くにも平日のド真ん中に出かければ、混雑はなかった。特にオフシーズンであれば、どこへいっても快適に旅行を楽しむことができた。ところが現在はまったく違う状況が起きている。平日に地方への旅行も外国人で大混雑しているのだ。
いや混雑だけでなく、金額も大きく変わった。家族4人でそれなりのホテルに泊まると、1泊20万円くらいしてしまう。これは一般的なサラリーマンの手取り月収に近くであり、もう国内旅行だからといって気軽にできるものではなくなってしまっている。
実際、先日利用した沖縄県と大分県のホテルはコロナ前に宿泊した時と比べて目に見えて価格が高騰していた。しかも予約は何ヶ月も前になんとかギリギリで少ない枠を取れた格好だ。ホテルのスタッフに電話で問い合わせをした時に聞かされたのは、特にグレードの高いスイートルームから予約が埋まっていったという。
そして実際に宿泊して驚いたのは外国人利用者の数だ。利用者だけでなく、スタッフも外国人だったり、英語を話せる日本人が常駐している。スイートルームや高級ラウンジの利用者は外国人ばかりだ。
どこの観光地へいっても英語や中国語、韓国語ばかりが聞こえてくる。人混みから逃れるために車で遠くの観光地へいっても、必ずといっていいほど外国人が行列を作っている。中には一人でスーツケースを2つ引きずっている人もいる。おそらく、空っぽのスーツケースには日本で買い物をしたものを限界まで詰め込んで帰るのだろう。
もはや国内旅行は数年前とはまったく違う風景になっている。国内旅行すら高嶺の花になってしまったのかもしれない。
ネットカフェに泊まる日本人
先日聞いた話では、国内旅行はホテルではなくネットカフェに宿泊するというものだ。
ネットカフェは事前予約を受け付けていないところがほとんどであり、ウェブサイトも日本語だけのところが多く外国人の利用はかなりハードルが高い。しかもホテルと違って目に見える価格高騰の影響はなく、最近は個室で鍵がかかる部屋も増えてネットカフェは「コスパの良い宿泊施設」になりつつある。
筆者も経済的に困窮していた時期はネットカフェを利用していたが、アイマスクと耳栓を使えば普通に眠れるしドリンクも無料、食料の持ち込みもできる。ネットカフェにはお世話になった時期があった。問題はこれを就活という明確な目標達成のための合理的手段ではなく、娯楽である国内旅行で使わざるを得ない状況になりつつあることだ。
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4つ星、5つ星ホテルは外国人が奪い合い、3つ星以下のグレードを日本人で奪い合う。そこからあぶれればネットカフェという選択肢になるべきではない。インバウンド需要で経済が潤うのは明確なメリットではあるが、その反面、国内旅行が難しくなった事を肌感覚で実感すると複雑な心境になってしまうのだ。
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