森・小泉両元首相こそ離党せよ:関東に甘く関西に厳しい処分にも疑問

自民党は4日の党紀委員会で派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に関係した安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)の議員ら計39人の処分を決定し発表した。

全体としては、過去の例とのバランスなどからして甘すぎず厳しすぎずだと思うが、ふたつバランス感覚からいってどうかと思うことがある。

ひとつは、派閥の指示でその通りの処理をしただけの若手の議員までが、処罰されたことである。戒告とか短期の役職停止はそれほど厳しくはないようにみえるが、地盤が固まっていない若い議員にとっては厳しいことである。

その一方、清和会の会長を務めその後も影の会長といわれるような力をふるって、また、キックバックの仕組みとも密接に関わっていたといわれる森喜朗元首相がなにも処分されなかったことは奇妙である。

それから、みんな忘れているが、小泉純一郎元首相もまた会長だったわけである。しかも、派閥の力で総裁選挙に勝って総裁になったわけでない森喜朗さんや安倍晋三さんと違って、総裁選挙を清和会の派閥候補として制して総理になった方である。

森・小泉両元首相 NHKより

私はこの二人が、「責任をとるべきなのは私たちだ」といって、そろって離党する代わりに若い人たちの処分は少し軽めにと言うべきでなかったかと思うし、今からでも遅くないから身を引くべきだ。

小田原を豊臣秀吉が攻めたときも、最後に腹を切ったのはご隠居さんの北条氏政であったが、そういう潔さがご両人に欲しかったと思うし、岸田さんは二階さんを見習えと太りの元首相たちに言って欲しかった。

関東に甘く関西に厳しい

もうひとつは、どうも西村康稔とか世耕弘成など関西の政治家に処分が厳しく、関東の政治家に甘いということである。たとえば、萩生田さんは役職停止といいつつ、対象は中央の役職だといって、東京都連会長すらやめなくていいそうであるが、森喜朗氏最側近といわれ、パーティー収入の額が2,728万円で不記載額は自民党では3位なのだから、それではいかがなものか。

事務総長経験者でないとともいうが、事務総長が重要ポストだなどとこれまでいわれたことがなく、経験者に責任を押しつける口実に使われた感がある。

【離党の勧告】塩谷立、世耕弘成

【党員の資格停止・1年)】下村博文、西村康稔

【党員の資格停止・6カ月】高木毅

【党の役職停止・1年】武田良太、松野博一、萩生田光一、林幹雄、平沢勝栄、三ツ林裕巳、堀井学、橋本聖子、山谷えり子

【党の役職停止・6カ月】衛藤征士郎、小田原潔、菅家一郎、杉田水脈、中根一幸、宗清皇一、簗和生、宮本周司

【戒告】大塚拓、尾身朝子、柴山昌彦、関芳弘、高鳥修一、西村明宏、細田健一、吉野正芳、和田義明、岡田直樹、加田裕之、末松信介、羽生田俊、堀井巌、丸川珠代、山田宏、中山泰秀