ウクライナ支援が台湾と韓国の議会を親中派に献上した

camaralenta/iStock

ウクライナ戦争での無計画なウクライナ支援が、台湾と韓国の国会の多数を親中派に差し出し、日本も風前の灯火だ。

韓国総選挙は三日前に予想したとおり、野党の大勝となったようだ。ずっと野党優位だったのが3月には与党優位に一時的に転じたのが、再逆転した。

逆転の原因は、美貌の大統領夫人と前国防相の国外逃亡(訴追されているのに大使に任命されて逃亡)、物価高などだ。系列政党を加えると憲法改正にもう一息の三分二近く。うっくりするとひっくり返される程度の差だ。憲法改正されたら尹錫悦ももたない。

台湾でも、総統は民進党が確保したが議会は野党にとられ、韓国がそれに続くことになった。日本も風前の灯火である。

日本、韓国、台湾の保守政権は、ウクライナを支援して総崩れとは皮肉だが、私の予想通りだ。ロシア制裁は物価高をもたらすし、外国に支援されて武器だけもらい、ウクライナ人のように戦うことを日本人も韓国人も台湾人も望みそうもないのは、紛争の最初から自明だった。

ロシアは国際法に違反しているが、ウクライナをEUやNATOにいれるのは相当な地政学的無理があり、いかに戦闘に勝とうが、いかに国際法をたてにとったとしても、それで長く安定することはあるまいし、安定しなかったら一時的には望んだようになっても、勝ったことにはならない。

ここが非常に大事なのだが、法律はそれを盾にとって戦う口実にはなるが、求める結果に無理があっては、満足できる結果は得られないということだ。仮に満洲独立が合法的に行われても、華北進出が国際法に違反しなかったとしても、大陸にそんな国を長く維持することが出来たとは思えない。日本が戦争に負けたのは、国際法で立ち場に無理があったからだけではない。

日本が欧米側につくのは当然で、反対でないが、いちばん後ろにつき、かつ、仲介出来る立ち場を失うべきでなかった。安倍さんならそうしただろう。

また、岸田政権の尹錫悦大統領へのてこ入れも不足だ。さらにあきれたのは、いわゆる保守派が韓国は政権がどうなろうと同じだからと冷たかったことだ。以前にも指摘したが、親韓派といわれる松川議員のちょっとした脇の甘さを大スキャンダルに仕立て上げたのもむしろ日本の保守派で、そこには韓国与党へのてこ入れを止める意図があった。

欧米がウクライナから引き上げる時に、日本が金だけ出すような羽目だけにはなりたくない。岸田首相にはワシントンで変なこと約束してこないでもらいたい。