縁と善の好循環

株式会社財界研究所より『縁と善の好循環』という本を上梓しました。本書は2007年4月より続く当ブログ「北尾吉孝日記」を再構成したもので、翌年秋出版の第1巻『時局を洞察する』から数えて16巻目に当たります。今回のブログ本のタイトルを何にすべきか熟慮を重ねた結果、『縁と善の好循環』としました。そうした理由は、小生は現在73歳ですが、社会人として生きてきたこれまでの人生で最も大切だと思っているのがこの「縁と善の好循環」ということだからです。

これは言葉としては簡単ですが、仏教の基本思想をなすもので非常に深いものなのです。私のブログの多くは、多少ともこの思想の影響を受けているといっても過言ではありません。この本の「序章 縁と善の好循環」でこの思想について詳述していますが、良い縁と結縁(けちえん)出来るようにするに大切なことは次の七つに集約されると思います。

①縁に気づき縁を活かす努力をすること…日頃より一生懸命に考え、真剣に自分の為すべきを為して生きないと、折角の縁がやって来ても気付かず、その縁を逃がすことになります

②倦まず弛まず地道に善行を積み重ねるよう努めること…善行を積んでも成果が目に見えないことがあります。しかし、それは知らぬ間に育っていくものです

③素直な気持ちをもつこと…自分に起きたことは、全部「天命」だと思いこむことにより、素直な気持ちになれます

④常に明るい心を持つこと…どんなに苦しいことに遭っても、心のどこか奥の方に喜びを持つことで運を良くすることに繋がります

⑤感謝の気持ちを持ち続けること…人の御陰で以て今日生活が出来ていること自体を有難いと思い、常々感謝し、自分も又、世のため人のため自分ができることを捧げていくことが大切です

⑥自己修養に努めること…精神修練を日々行い、自分の思想と精神を高めていくために努力すべきです

⑦互いに学び合える間柄になること…互いに学び合うことが大事であり、それは人生を変える一つの要素になります

良縁が結ばれるのは単に才の有無よりも、その人の有する人間力が大きく影響します。良縁を呼び込みたいと思えば、自分が日々社会生活で事上磨錬(じじょうまれん)し、人間力のレベルを上げていくしかないのです。此のブログ本がその一助となれば、幸甚です。尚、本書での見解は、私の体験的学習と私が先哲から学んだことでありますが、何分浅学菲才の故、多くの間違いがあると思いますが御宥恕いただきたく御願い致します。


編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2024年4月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。