転職者のための謙虚さと前職アピールの落とし穴

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「いつかは正社員」と思いながら、派遣社員や契約社員で働いている人は少なくありません。このような人に読んでもらいたい一冊を紹介します。

今回は、転職して入社後に心掛けたい、振るまいについて考えてみましょう。

アラフォー女性のための次こそ成功させる転職マニュアル』(山本しのぶ著)つた書房

新しい会社では謙虚さが必要

入社後の第一印象をよくするためには、最初の対応が肝心です。新しい会社では新入社員という意識をもち謙虚に振るまわなくてはいけません。

「まわりの人があなたに注目しているはじめの時期こそ、率先して挨拶し、仕事の報告や連絡、相談などのコミュニケーションを通常よりも丁寧に行いましょう。雑用も、進んで行ってくださいね。あなたが新しい会社に溶け込もうと率先して行動している姿を見れば、まわりの人もあなたと接しやすくなります」(山本さん)

「新しい会社に入社すると、これまで働いていた会社との違いが目につきます。前の会社にいた時はそれほど意識していなかったことも、違う会社で働くことで前の会社のよい部分が見えてきたり、入社した会社でムダと感じる部分や、仕事でもっとこうすればよいのにと思う部分が出てきます」(同)

誰しもが、会社の課題や問題点には気が付いているものです。しかし、いきなり転職してきた人に指摘されると、あまりよい気分はしません。相手は批判されていると感じ、場合によっては軋轢を生むことがあります。

前職アピールは評価を下げる

社内で評価される人には腰が低いという特徴があります。筆者がもっとも嫌気するのは前職自慢をする人です。これは、一流企業出身者に多いのですが確実に評価を下げます。前職を名乗ることでマウンティングしたいのがわかりますが効果はありません。

  • このレベルの仕事では私の前職(〇〇商事)ではまったく通じませんよ
  • こんなやり方は、前職(ゴールド〇〇サックス)ではありえないことです
  • この会社では議論かみ合わない。前職(マッキン〇―)では考えられなかったな!

このような発言を聞いたことはありませんか?

評価をあげる人は、前職アピールはしないもの。思慮深く謙遜することが大切なのです。

本書は、アラサー・アラフォー女性向けに書かれているものの、社内のルールを鳥瞰することができます。この機会に社内のルールを抑えておきましょう。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)