黒坂岳央です。
「人生は自分との戦い」と言われる。誰もが一度は聞いたことがあるセリフだ。しかし、肌感覚でしっくり来ている人は意外と少ないのではないだろうか。
その理由としては、我々は学生時代から社会人になってからも「他者競争」を強いられる環境に身をおいてきたからだ。学生時代は学校の成績や学校のグレード、就職したら年収や勤務先の規模、婚活をすればスペック勝負。どこまでいっても他者との競争が追いかけてきて、逃げられない。
それでもあくまで「主観的」には、人生というゲームに競合相手を入れず、閉じた世界で戦いは自分とだけするという姿勢が重要だと思っている。その根拠を述べたい。
競合相手は一切見ない
現在の自分はビジネスで他者との比較は一切しない。
これは一切他者を見ないということではない。あくまで競合相手は見ないということであり、他業種のビジネスからは参考にできること、知識、発想、姿勢などもらえるものはドンドン学ばせてもらって吸収する。だが、徹底して「競合」は意識しないし、見ないし、一切興味を持たないようにしている。
競合相手を見ると、人間は強く影響される。無意識レベルで自分より優れた部分を偏重的に情報を収集し、自分の至らなさを痛感する。これ自体、次の成長へと繋げられれば何の問題もないし、特に駆け出しの時期はライバルから参考にすることに一定の合理性を持つと考える人もいる。しかし、決してポジティブなことだけではない。
たとえば極端に心が弱っている時にすごい相手を見ると、自信を失ってしまったり、自分がずっと大事にしてきた指針を曲げて「結果を出す」ことを最優先してしまうなど、軸がブレる原因にもなる。長期的に考えれば、これらはあまり良いことではない。一方で競合相手でない、異業種ビジネス相手からはフラットな目線で学びや参考にすることができる。
「でもそれは単なる自己満足になってしまうのでは?」と考える人もいるだろう。だが、「いや最後は自己満足でいいでしょう」と思っている。最大公約数的な「勝者」になどならなくても、自分の中で「自分はいい人生を送っている。支持してくれる顧客もいていい仕事をしている」と自己満足で考えればいい。それに上を見ればきりが無い。
マズローの理論によれば、承認欲求の上に自己実現欲求が置かれているのは「人生のゴールは自己満足」というメッセージだと受け止めている。
過去の自分に勝ち続ける
自分の人生のフィールドに競合相手を入れないもう1つの理由は、そんなことをしなくても十分満足のいく人生を送ることができるからだ。
ビジネスはナンバーワンよりオンリーワンだと思っている。ナンバーワンということは、競合相手に勝つこと。悪く言えばコモディティ化して、価格競争とビジネスプロセスやオペレーション、ひいては資本力の勝者になるということだ。
一方で、オンリーワンは他者にはない付加価値を提供することだ。つまり、これは「他ではなく、あなたがいい」と指名を受けるビジネスを目指すということであり、それができれば主観的に見て十分満足のいく人生になるということである。
上述の通り、自分は競合相手を見ないし、ライバルとは競争しないといった。その代わりに、過去の自分とは意識して戦い続けている。常により良いビジネスを実現するためには、過去の自分をドンドン超えていく必要がある。退化なんて絶対に許されないし、現状維持も広義の意味では退化と同じ。過去の自分に勝つためには常に自分が成長する必要がある。こうなると、不断の勉強をすることになり、それが付加価値となり結果としてオンリーワンビジネスになるのだと思っている。
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佰食屋という店舗がある。100食提供したらその日は店じまい、という飲食業界の非常識として一躍有名になったが、これもオンリーワンビジネスの好例だろう。競合相手を眼中に入れず、過去一番の自分であり続けることでビジネスで生き残ることができる。それは理想ではないだろうか。
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