「愛子天皇はあり得ない」ことを理解出来ない人たちへ

PRESIDENT Onlineに『「愛子天皇」は選択肢に入っていない…「旧宮家男子を養子に」という政府の皇族確保策が妙案である理由「男系派vs女系派」が火花を散らす皇位継承問題の終着点』という記事を書いたら、ヤフコメでは避難囂々であった。

予想されたことなのだが、少しは真っ当な反論が見いだせるかと思ったが、まったく皆無に等しい。

「愛子天皇」は選択肢に入っていない…「旧宮家男子を養子に」という政府の皇族確保策が妙案である理由 「男系派vs女系派」が火花を散らす皇位継承問題の終着点
安定的な皇位継承に向けて、政治的な議論が山場を迎えつつある。評論家の八幡和郎さんは「政府の有識者会議が出した皇族数を確保するための2案はいずれもメリットがある。佳子さまと愛子さまのご結婚までに結論を出す必要があり、各党はいち早くコンセンサスを形成すべきだ」という――。

私はそれがありえないときちんと法律的に説明しているのだが、それに対する反論でなく、気に入らないとか、「愛子さまは素晴らしい」とか「秋篠宮家家は気に食わん」ということだけでお話にならないのである。

愛子内親王殿下ご近影 宮内庁HPより

もっとも、この記事の主眼は、愛子天皇はそもそもありえないという前提で、愛子さまなどが結婚してからも皇族として残留できるようにする、皇族が旧宮家から養子を取れるようにするという二案で各党がまとまる合意ができそうだということを書いたものなのだが、そっちのほうには関心が向かないようだ。

だが、皆さん愛子天皇論のほうに関心があるようなので、記事に補足してその点についてだけ論じてみよう。

天皇ご一家ご近影(令和6年新年) 宮内庁HPより

もともと男系の皇族関係者(皇族でなく臣籍降下していた者も例がある)が皇位を継承するのは、神武天皇以来というかどうかは別として知りうる限り例外はない。また、男子に限るということは、明治時代の皇室典範で決めてからの伝統だ。

男子に限ったのは、明治になって西洋にならって生前退位をやめたのでショートリリーフをやめたこととも関係する。

しかし、長寿化もふくめて西洋でも生前退位が増えたこともあり、上皇陛下が生前退位を希望された。

そこで、2017年の上皇陛下の退位に伴う皇室典範特例法が制定され、そのなかで秋篠宮殿下を皇嗣殿下とし、皇太子と同じに扱うことを決め、天皇即位の際の三種の神器に対応するともいえる「壺切りの剣」を引き継ぐ皇嗣礼も実施し、英国王戴冠式に出席してお披露目も済んでいる。

だから、現在の国会での議論は、悠仁さまに男子が生まれなかった場合にどうするかという議論なので愛子天皇の可能性はそもそも議論の対象でないのである。

また、悠仁さまが、心身ともに健やかにお育ちになり、帝王教育も順調に進んでいる中で、現実的な選択とはいえまい。

悠仁さまの資質について、誹謗中傷はやまないが、いずれもまったく嘘である。また、学業も順調(お茶ノ水附属中学ではまんべんなく好成績。筑波大学附属高校でも悪いという情報はない。東京大学はともかく早慶クラスの学力)、身体的にも壮健(猫背でひょろっとしていると中傷する人もいるが歴代天皇を始め皇室の人はみなそうだが、みなさん筋力はあって壮健だ)、人間的にも問題があるという証言はない。

秋篠宮ご一家ご近影(令和6年新年) 宮内庁HPより

一方、愛子さまこそ天皇にふさわしい資質の方だという『世論』はあるが、そもそも比較してどうのこうのというのがおかしいし、具体的にどういうところがという指摘はほぼ皆無だ。というか、大学にも結局の所、ほとんど通学されず学生生活も経験されなかったし、公務で単独では国民の前には姿を現しておられない愛子さまがどんな方かはベールに包まれており一般には情報がないのにどうしてそうなるか不明だ。

英国などで王位継承原則を変えているが、すでに生まれた子については変更しないのが国際常識である。

皇位継承問題を論じながら、世界各国の制度についての知識が乏しい人が多いのは残念だ。

以上の理由に具体的な反論はヤフコメにもほぼなかったのであるから相手しようもない。