悪気なく嫌われる人3つの特徴

黒坂岳央です。

本人には悪気はないのに、なぜか嫌われてしまう人がいる。自分は学生時代からそうした相手と対峙することがあった。相手はまったく悪気を感じてない印象を受けるが、こちらは「あまり一緒にいたくないな」と感じて距離を取りたくなってしまうのだ。相手に悪気はない分、面と向かって問題点を指摘することもはばかられ、気がつけば周囲から人がいなくなってしまうという残念なパターンである。

今回、その原因について言語化することに挑戦したい。

koumaru/iStock

失言が多い

悪気なく嫌われる人はとにかく失言が多い。

上から目線に感じるような発言をしたり、明らかに相手のコンプレックスを刺激してしまいそうな欠点をわざわざ口に出してしまう。招かれざる失言に空気が凍りつき、本人も失言に気づいて取り繕うが一度出した言葉はもはや引っ込めることができず、その後は相手から敬遠されてしまうというシーンを何度か見てきた。

その理由はシンプルで、言語能力によるものだ。「この発言で相手や周囲はどう感じるか?」というフィルターを通して慎重に言葉選びをすることはなく、感じたことや思ったことをそのまま無編集で出してしまっている。「なんで怒るの?事実じゃないか」という人がいるが、感じたことをそのまま口に出すとトラブルの元である。

この場合、何をいうか?ではなく何を言わないか?という沈黙の偉大さを理解するのだ。上から目線に感じる発言も、マウントを取ろうというより、マウントに感じない発言へ編集する力が不足していることに起因する事が多い。

幸いに失言は治療可能だ。そうした話し方の書籍は世の中に山ほどあり、それを徹底して実践するだけで大きく改善ができる。自分自身、恥ずかしながら昔は失言しては怒られる過去を持っているため、必死に勉強して改善をした。

自己中

そして嫌われる人は自己中である。

たとえばビジネスの取引先のような利害関係者でなくフラットで対等な関係性の場合、基本的に待ち合わせ場所は両者の中間地点を設定することが多いのではないだろうか。ところが、自分に都合の良い場所、時間帯を指定し「ここにしましょう」というものの、相手からは「自己都合に良い場所と時間の指定をした」と透けて見られてしまう場合だ。相手に一切の配慮がない人は自己中として嫌われてしまうだろう。

また、時代の変化でかつては問題なかった行動が今は自己中と取られるケースもある。それは「アポ無し電話」だ。あらゆる調査結果で若者を中心に電話嫌いが増えており、電話はある種の暴力に近いと感じる文脈も存在する。いきなり電話をするのは発信者側に都合が良くても、それを受ける側の都合は完全に無視されている。

恋人や親友同士、またはビジネスで役職の違いでパワーバランスに差がある場合や緊急連絡は問題がないが、そうでない相手にすると自己中と取られかねない。間違っても営業電話なんてしてしまったら、信頼関係は地に落ちるだろう。

時代の変化でアポ無し電話が与える印象は非常に悪くなった。悪気がなくてもいきなり電話だけは絶対に控えた方が良い。

否定から入る

最後に否定から入る人は嫌われてしまう。

人間が会話をする上で、否定されたいと思う人など誰もいないだろう。「自分の過ちを抽出して具体的提案とともに指摘をしてほしい」といったビジネスコンサルティングの文脈は別だが、そうでない日常会話やビジネスの商談で否定する行為は極めて危険である。否定しなければスムーズに進んでいだであろう話でも、否定がきっかけで感情論の応酬になりかねない。

自分が実際に経験してきたケースで言えば、話の冒頭に「いや」「でも」とつけてしまう人だ。一般的に「いや、でも」という言葉は話の流れが転換する起点で使われる言葉である。「傘を持参した。でも雨は振らなかった」といった具合に、前文の流れを否定する場合に用いられる。そのため、相手の話を受けて「いや、でも」といえば、後続の話が違う流れになる展開を予想する。

もちろん、それが必要な文脈もあるだろう。しかし、否定語を使うクセが有る人の会話はそうではない。クセで使っているだけだ。これでは、相手にムッとさせてしまうだけで、使用するうメリットはないはずだ。あまり歓迎されることが少ない口癖のため、変更が推奨されるだろう。

悪気なく嫌われる人は、文字通り悪気はない。だからもったいないといつも思う。言葉遣いを学び、相手に配慮があれば人間関係は大きく変わるはずである。こうしたものは知識や技術であり、一度身につければその効果は永続するので学ぶ価値は大いにある。「悪気はないと思うけど…」と前置きした上で、一度でも発言に指摘を受けた人は検討する価値があるのではないだろうか。

 

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