日本で仕事をしていた人がリタイアして海外移住、というと、毎日やることも無く、貯金が減っていくのを見るだけの生活と思っている方もいらっしゃるかも知れませんが、実際はどうなのでしょうか。
日本で行っていた事業を売却してタイに移住したAさんに、移住したあとの生活について聞きました。
バンコクの生活、金があれば楽しい!
――バンコクの生活はいかがでしょうか?
Aさん:バンコクは、金を出せば色々なサービスを受けることができるので、金があれば楽しい生活をおくれる場所です。
Aさん:まず、バンコクに来て「お金を出せば違う」と最初に思った分野は教育です。世界レベルで通用する英語力を身につけさせたいと思い、子どもたちを英国系のインターナショナルスクールに入れています。英語力というだけでなく考える訓練をしてくれているのですね。世界ランキングでも上位にランクインするスクールだというのも納得です。
――教育の次に、「お金を出せば違う」と感じられるのは何でしょうか?
Aさん:家ですね。私は、一流ホテルが運営をしているコンドミニアムの一室を購入して住んでいますが、サービスのレベルが違います。普通のコンドミニアムにもフロントの人がいて、「コンシェルジュ」などと名乗っていますが、私の住んでいるコンドミニアムの場合、ホテルのスタッフが、ホテルでの仕事とコンドミニアムでの仕事を持ち回りで行っていますから、本当にホテルのレベルのサービスです。高級ホテルに住んでいるという感覚で暮らせるので、ストレスフリーで過ごせます。
――今日も、コンドミニアムのラウンジでインタビューさせていただいていますけれども、中に入った瞬間から、この建物の中に漂う香りも含め、ホテルに来た気持ちになれますね。
Aさん:次に、メイドや運転手を雇いやすいことです。私は、メイドを1人、運転手を2人雇っています。人件費が安い国だからできることですが、メイドや運転手を月10万円くらいで雇えますから、日常の雑多な仕事に関わらずに生活することができます。
日本でこんな生活はできない!
――たしかに、これだけの豊かな生活を日本で送るのは難しそうです。ただ、お金を出せば、日本で同じような生活をおくることは不可能とまでは言えない気もするのですが。
Aさん:東京であれば、こうした生活をしている人もいるかも知れません。ただ、私の住んでいた地方都市で、高級車を2台持って、それぞれに運転手を付けて、などという生活をしていたら、目立ちすぎます。身の危険を感じるでしょう。バンコクであれば、こうした生活をしている富裕層は多いので、目立たずに済むのです。
――なるほど、日本は稼いだお金を使う環境が整っていないと言えそうですね。
ドバイやマレーシアよりも、QOLが高い
――バンコクで満足されているので、移住をお手伝いした私も嬉しいのですが、他の都市と比べることはありますか?
Aさん:マレーシアのクアラルンプールに行くことがありましたが、富裕層の数、日本人の数、日本への直行便の数、あと、日本料理店の数とクオリティ、こうしたクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の点でバンコクの方がずっと上なので、クアラルンプールは無いなと思います。
――クアラルンプール以外と比べることはありますか?
Aさん:最近、ドバイからバンコクに移ってきた人の話を聞きましたが、日本人の数、日本への直行便の数、あと、日本料理店の数とクオリティ、これらの点でバンコクの方がずっと上のようです。
富裕層はもちろん、富裕層を目指す人こそ、海外移住すべき
――お金を増やす環境としてはいかがですか?
Aさん:日本は個人所得税と住民税で55%だから、労働で資産を増やすのは難しいでしょう。ですから投資をしていくべきですが、それでも、20%も税金がかかります。海外に出て、20%の税金がかからなかったら、どうなると思いますか?1年だけみれば20%の差ですけれども、何年も経つと、複利で差はどんどん開きますよ。小峰さんも、もう一度外に出た方がいいと思いますよ。
――富裕層なら外に出るべきということですね。でも、私は富裕層ではないですから。
Aさん:富裕層はもちろんですが、富裕層を目指す人こそ、海外移住すべきだと思いますよ。日本にいたら富裕層になることが難しいから。
暗号資産投資、金の投資収入があるので、リタイア移住をしても資産は減らない
――Aさんは、バンコク移住後も、投資で資産を増やしているのですか?
Aさん:金(ゴールド)の投資をしています。金は、5年で倍というくらい価格が上がっているので、「価格が2倍になったら半分売って」という感じで利益確定しています。ゴールドへの投資で得る収入も大きいです。
タイで一等地のコンドミニアムに資金を使うも、資産は減らず増えてしまう
――こうして増えた資産を、何に使っているのですか?
Aさん:子供の教育費に結構使っているけど、食費などの生活費は、たかが知れているから、一番使っているのは不動産だと思います。
Aさん:いま住んでいるコンドミニアムは、約1億バーツ(当時のレートで約3.5億円)で買って、内装工事なども入れると、4億円弱くらい使いました。でも、いま、この部屋と同じ間取りの部屋の取引を見ると、5億円以上で取引されているようです。この部屋を売って、少し広い部屋に移ろうと思っているのですが、たぶん買ったときよりも高い値段で売れるでしょうから、ここでまた儲かると思います。
――もはや、何をしても資産が増える一方ですね。
Aさん:もちろん、タイで不動産投資をしたけれども失敗している日本人は結構いると思います。でも、ロケーション、デベロッパーを間違えなければ、損しないでしょう。
インタビューを終えて
Aさんは海外移住をしたとき、すでに富裕層だったのですが、「富裕層になったから海外移住というのでなく、富裕層を目指す段階で海外移住」というメッセージが、印象的でした。
自分が日本国内にいなくても稼げる人であれば、富裕層になるため、海外に出ることを考えてみてはいかがでしょうか。