今日は有給休暇でした。最近少々仕事でストレスを感じることが続いているのでリフレッシュしようと車を走らせ、三島市までやってきました。
三島はこれまでも何度か訪ねている大好きな場所。もし好きなところに移住していいと言われたら三島を選びたい、そう思っているくらい好きな町です。
三島が好きな理由はいろいろあるのですが、一番の理由は緑豊かで水がきれいなところ。街のいたるところで湧水が湧き、透明度の高い水が町の中にあふれています。三島は富士山の溶岩流の末端部に位置しており、富士山や箱根に降った雨が長い年月を経て地中を通りここで湧き出ているのです。
いつもは三嶋大社に向かう途中にある白滝公園や隣接する桜川の湧水を眺めて神社に向かっていたのですが、今回はより水に親しむことができる遊歩道を歩くことにしました。
その遊歩道の原点は名勝・楽寿園から始まります。新幹線駅である三島駅と目と鼻の先にある78000平米もの広大な敷地を擁する自然豊かな楽寿園は明治時代に皇族・小松宮彰仁親王の別邸としてつくられたものです。中には庭園のほか小さな動物園もあるそうです。
楽寿館と呼ばれる親王の過ごした別邸から望むことができる小浜池。満水時は美しい水鏡が楽寿館を映し出しますが、近年はこのように水が枯渇していることが多いようです。
ただ、池の南の一部では水が湧き、豊かな水を湛えています。これから訪ねる湧水の豊かな遊歩道・源兵衛(げんべえ)川はここを出発点にして南に流れていきます。川の全長は1.5キロで中郷温水池まで流れています。
それでは楽寿園を出て源兵衛川の方に歩いていきましょう。
源兵衛川の入り口に来ました。6月らしく紫陽花も咲き始めています。川の中に板張りの遊歩道が敷かれ奥に延びています。
これまでにも清水をそばに感じられる遊歩道は数多く歩いてきましたが、川の中をこれほど長く歩くことができる遊歩道は見たことがありません。澄んだ湧水を足元に眺めながら緑のトンネルの中を進みます。より一層三島が好きになります。
近くの保育園の子どもたちが川に生息する水生動物を獲りに来ていました。こういう取り組みをすることで子供たちに水をいつまでもきれいに保とうという気持ちが生まれますね。この付近では6月、ホタルも舞い地元の人が鑑賞に訪れるそうです。
遊歩道の途中には飛び石が川面の水面すれすれのところもあります。濡れないように注意しましょう。
遊歩道の途中には寺社を通るところもあります。こちらは蓮馨(れんけい)寺の聖徳太子堂。
こちらはかつて三島の宿場町に時を告げていた「時の鐘」。埼玉県川越市にある時の鐘は高い鐘楼の上に鐘がありましたがこちらは寺社によくある鐘が川のほとりに建てられています。
さらに進んでいくと伊豆箱根鉄道の橋脚があります。実はこの下を潜ることができて、橋脚を渡っていく列車を下から撮影することができる名スポットなのです。
せせらぎとその上を渡る鉄道。ここでしか撮れない写真です。
道路の下を潜る遊歩道。背の低いわたしでも屈まないと通れません。
川沿いにテラス席のあるイタリアンレストラン dilettante cafe。地元の素材を使った料理が楽しめるお店です。わたしが通ったときはまだ開店前でしたがすでにお客さんが待っていました。地元の方に人気のお店です。
水の苑緑地と呼ばれる広場にきました。住宅地の中にこんな自然に恵まれた場所があるなんて本当に羨ましい。ここなら毎日散歩したいです。源兵衛側はこの先も続きますが川沿いの散歩はここでいったんお別れします。
佐野美術館の前に貯水池のような場所がありました。ここは梅花藻(バイカモ)の里。湧水の温度が15℃ほどと冷たいことから冷水で育つ梅花藻がよく育つのです。
梅花藻の見ごろは8月ですがちらほらと花を咲かせていました。梅花藻、先週も滋賀の醒井で見たばかりですが、また見る機会に恵まれました。
帰りもマイナスイオンを浴びながら源兵衛川の中を歩いていきます。普段職場ではマイナスオーラを一杯浴びていますのでマイナスイオンを浴びると生き返ります。
さて、たくさん歩いて喉が渇いたのでここで休憩します。果物店の「さいとうフルーツ」さん。ここでは搾りたてのフルーツジュースをテイクアウトでいただけます。
果物店の一部をジューススタンドにしています。何にしようかな?
アップルベリーにしました。りんごにフローズンストロベリー、レモンを加えてさっぱりとした味わいです。果物のプロだからこそできる絶妙なミックスブレンドですね。
こちらのお店、実は今私がイチオシのアーティスト、TOMOOさんのMVにも登場しています。気になる方がいましたらぜひ。源兵衛川もちらりと出てきます。
透明度の高い湧水が町のいたるところで湧く三島。源兵衛川の散歩は日頃のストレスや鬱積したものを解消してくれる素晴らしいものになりました。
今が歩くには一番いい季節。できれば平日に来て、夕方はホタル観賞なんていうのもいいかもしれません。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。