6月8日の、日本経済新聞(土曜版)の名物コーナー「何でもランキング」に協力しています! テーマはずばりボードゲームで、リンクはこちらから。
今回は日経さんの方針により、「家族と30分くらいで遊べること」を条件にしつつも、構成パーツが「カードのみ」のゲームはあえて除いてあるため、結構本格的な作品もリストに入っています!
>毎回、テーマに関係する識者10名ほどからアンケートを取って候補案を絞り、さらにそこから順位をつけて投票して、掲載されるベスト10を選ぶ形式です。昨秋『ボードゲームで社会が変わる』を刊行したため、共著者の小野卓也さんと共にお声がけをいただきました。
最終的に選ばれた作品は、同紙を手に取っていただくことにして、私が投票したゲームと、その際添えた推薦文をご紹介します。まず、編集部が示すリストの内から、マイベスト10を選ぶ「2回戦」で投票したのは……
1位 ディクシット
互いの感性を知るきっかけにもなる、初対面どうしでも親しい仲でもお勧めのゲーム。絵にタイトルを付けるだけなので、難しいルール把握は一切不要。オリジナルの絵も美麗で、想像力を刺激する。2位 コードネーム
チーム戦で争うと盛り上がり、クイズ形式のゲームでは最も優れる。「スパイ組織どうしが暗号表を前に、敵に盗聴されても大丈夫なよう隠語で会話します」と、状況を説明するのが大切。3位 チャオチャオ
特殊なサイコロのために「強制的に嘘を吐かされ」、そうしたブラフを互いに見抜きあうゲーム。ブラフ以外は通常のすごろくのため子どもとも遊べ、次第に「嘘が上達する」過程を全員で楽しめる。4位 トランスアメリカ/ジャパン
本格ボードゲームの入門にうってつけな、「最もシンプルなルール」の鉄道ゲーム。米国・日本のWマップが嬉しい。他の人の路線にも「相乗り」しつつ、自分だけが勝ち抜ける勝負勘を磨ける。
(*)ヘッダー写真は、日本語版が出る前に中古で独自入手した海外版です。ちょい自慢(笑)。5位 マジョリティ・パーティー
どちらとも言いがたい微妙な質問にYesかNoかで答えつつ、本音を言うのではなく「多数派に入ることを目指す」点が面白い。勝ったら「気配り上手」、負けても「信念の人」と讃えあえる。6位 海底探検
どこにでも持ち運べるコンパクトさが魅力の、定番入門ゲーム。深く潜るほど高得点が狙えるが、酸素不足で0点になってしまうリスクも高まるジレンマ合戦のすごろくを、気軽に楽しめる。7位 目撃者たちの夜
中高生の休み時間の娯楽として定着した「人狼」を、推理の魅力を損なわずに「短時間」「司会者なし」で楽しめるよう加工したミステリーゲーム。自ずと全員が考察を述べあうため、距離も縮まる。8位 キングドミノ
ドミノタイルのように「2つの地形」が組み合わさったボードを、手もとに引いてきて「高得点な王国」を築くことを目指す。絵柄も相まってほんわかした雰囲気で、ギスギスせず誰とでも遊べる。9位 ブロックス・トライゴン
パーツを四角ではなく三角形で構成したことで、3人でも違和感なくプレイできるため家族向け。相手のブロックの裏側にうまく潜り込ませるのが快感で、オセロやテトリスが好きな人は必ずハマる。10位 もっとホイップを
「自分が切り分けるが、選ぶ順番は最後」を繰り返し、なるべくよいケーキセットを作ることを目指す。おいしそうなケーキのタイルで雰囲気抜群だが、戦略が求められ毎回苦吟するガチンコゲーム。
あくまで示されたリスト内からの「私の」投票順位です。
リンクは、ゲームの楽しさがわかるジョーコ・デルモンドがメイン
また(おそらくは、他に薦める人が少なかったため)投票リスト入りを逃しましたが、「1回戦」では以下の作品も挙げていました。
カルカソンヌ21
全員で地図を作りながら高得点を競いあう古典的名作。終了後のビジュアルも美しい。パトリツィア
ルネサンス風のマップに塔を建設してゆく外観が美しい、入門に最適な陣取りゲーム。
「カードのみ」で今回はNGだったのですが
大喜利ゲーム『私の世界の見方』と
これからの季節『なつのたからもの』も惜しい
まずは急ぎ、ご報告のみにて。多くの方のご関心を惹きましたら幸いです!
P.S.
来月7月20日(土)に、順天堂大学にて「医学とボードゲーム」のイベントに登壇します! 後日、詳しい告知も出す予定ですが、まずはこちらから。
編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年6月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。