相手を怒らせてしまう話し方の特徴

黒坂岳央です。

仕事でもプライベートでも「話し方」は極めて重要だ。同じ話の内容を伝えているのに、伝え方を間違えると相手の逆鱗に触れてしまうということが起きる。自分は昔、さんざんこれを失敗して上司や友達を怒らせてしまう愚行を繰り返していた。

自分は独立に際してコミュニケーションをかなり勉強したことで、現在は改善できた。自分自身の愚行からも「このような話し方はできるだけしないほうがいい」と考える特徴を取り上げたい。

PepeLaguarda/iStock

1. シリアスな雰囲気を壊す

真剣な雰囲気、というものがある。それは辛い心情を吐露する時や深い悩みや課題を真剣に話し合うという場面で起きる。通常、相手が真剣に話をし始めた時は、黙って真剣に聞くという態度で応えるのが筋である。しかし、空気が読めない人はこのシリアスな雰囲気を壊す話し方をしてしまう。

涙がこぼれんばかりの真剣な話をしている時にふざけたジョークを飛ばしたり、「っていうかさ、そろそろお腹も減ってきたし、お昼ご飯どこにするかも決めないとね」といった無関係の話を始めてしまう。これでは勇気を持って真剣に話を始めた人は怒り出してしまうだろう。

シリアスな雰囲気が漂い始めたら空気を読んで、自ら緊張感を壊してしまう言動は慎んだほうが良い。

2. 否定

「自分は毒舌キャラなので」と前置きをして、頼んでもないのに相手のダメなところをズバズバいう人がいる。本人は気持ちよく話しているかもしれないが、先方の状況を一切考慮しないで思ったままを話すのは単なる中傷でしかない。

もちろん、仕事では時に厳しい進言も必要なシチュエーションもあるだろう。しかし、それは相手が課題解決の糸口を求めていたり、話者がコンサルタントなどの立場で、先方の問題を改善させるミッションを背負っている前提が必要だ。

友人同士など、フラットな関係性で否定ばかりすると「この人はいつも自分にダメ出しばかりしてきて一緒にいて不快になる」と悪いレッテルを貼られることになる。

3. 面倒なイジり

最後は対応が面倒なイジりである。

イジり全体を否定するつもりはない。愛あるイジりは笑いを呼び、相手との親密性を高めてくれる。自分も楽しいイジられはむしろ好きな方で、遠慮ばかりして距離を取られるより、少しくらいグイグイ来て笑い合える人が好きなくらいだ。

大人になってからは減ったが、それでも時々対応が面倒に感じるイジり方をする人と遭遇することがある。一体、どんなイジりだと相手を不快にさせてしまうのか?それを一言でいうと距離感がおかしいと感じるイジり方だ。

たとえばはじめましての場で他の人が「この人はこんな素晴らしい仕事をしている人で~」と自分のことを紹介したら、「でもそんな素晴らしい人はこんな変な服を着ているよ」みたいに下げることをいう。また、知り合ったばかりの距離感なのに、その場を盛り上げようと張り切って容姿をネタに笑ったりするケースもある。これらはお互いの距離感を考えると、短時間でつめ過ぎなのである。

イジりが肯定される文脈は、お互いに信頼関係がありイジられる側がイジりを許容している場合に限る。自分も仲の良い相手とならなんとも思わない。しかし、まだ距離感が縮まっていない段階で自分を下げてくるイジりをしてくると相手を不快にさせてしまうだけである。

盛り上がる会話は結構ハードルが高いので、個人的には無理にトーク術を磨くよりも「何を話すといけないか?」というリスクを理解した上で、むしろ傾聴力を磨くことに注力するべきだと思っている。人は誰しも自分の話を聞いてもらいたいと思っている。雄弁に語るよりも、しっかりと傾聴できる人に需要がある。自分もリアルではあまり積極的に話すより、聞く側にまわるようにしている。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。