まずはブログ200記事書くための、楽しく続く情報発信のコツ(滝川 徹)

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Twitter(X)、ブログ、YouTubeをはじめ、副業として情報発信を継続するのは大変そうで自分にはとてもできない。そう感じる人も多いだろう。しかし実は、無理なく楽しく続けていくことは可能だ。

そう語るのは現役会社員・副業講師の滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』より、無理なく情報発信を続ける秘訣について、再構成してお届けします。

楽しく続けられる方法を見つけることの大切さ

一番最初に私が伝えたいのは、「楽しく続けられる方法を見つけましょう」ということです。理由はいくつかあります。

一つは単純に、楽しくなければ続かないからです。何事もそうですが、成果が出るには時間がかかります。たとえば私自身で言えば、自分のブログが「少しずつ読まれてきてるな」と感じはじめたのは200記事を超えたあたりからでした。

それまでは毎日ブログを書いていてもアクセスはほとんど増えず、砂漠に水を撒いているような気持ちになりました。それでも私が200記事に到達するまで書き続けることができたのは、純粋にブログを書くことが楽しかったからです。

当時は仕事も忙しく、子供たちも小さかったので書く時間を捻出することは簡単ではありませんでした。楽しくなければ続けるのは困難です。成果が出るまではそれなりに時間がかかります。

ピアノで曲を弾けるようになりたいなら、それなりに練習が必要です。同じように、たくさんの人に見られるコンテンツ(ブログ記事、YouTube 動画など)を作れるようになりたいなら、たくさん作って練習する必要があるわけです。

「運」の要素も無視できない

また、成果は運にも多分に左右されます。自分の発信しているテーマが時流に乗っていれば、たくさんの人にコンテンツが見られるチャンスも増えます。逆も然りです。

たとえば私の場合、一時期、心理カウンセラーの心屋仁之助さんの考え方に強く影響を受け、彼の本を読んでその気づきをブログで発信している時期がありました。その時は彼のキャリアも絶頂期。書いた記事もたくさん読まれました。

しかしそうした記事も彼のブームが去った今ではあまり読まれていないようです。このように、同じ記事でも時流、すなわち人々の需要・興味があるかどうかでアクセス数(成果)が変わってくるのです。

このことからわかるのは成果は運にも多分に左右される、自分ではコントロールできないということです。つまり、成果を出すためには、いつになるかわからないけど、成果が出るまで続けるしかないということです。

いつまでがんばればいいかわからない。そんな中、皆さんはつらいことをずっと続けていくことができるでしょうか。多くの人はできません。だから挫折していくのです。

ゴールが見えない中、走り続けるために必要なのは楽しく、ムリなく続ける方法を選ぶことなのです。ではどうすれば楽しくムリなく続けられる方法を見つけることができるのか。引き続き説明していきましょう。

1日に情報発信に使える時間を見極める

まず最初に考えていただきたいのは、1日の中でどれだけ情報発信に時間を費やすかです。正確に言えば、どれだけ時間を費やせるか、考えることです。どういうことか。私がブログをはじめた頃を例に説明しましょう。

私の場合、本格的にブログに取り組みたいと考えるようになったものの、その時間をどうやって捻出するか。悩んだわけです。ブログを毎日書く時間を捻出したいなら、それと引き換えに、今何かに使っている時間を減らす必要がありました。

こうした問題に直面した場合、多くの人は睡眠時間を減らすことを考えます。しかし私の場合、睡眠時間を減らすと仕事のパフォーマンスに影響します。また、家族との時間を減らすのも本末転倒。そう考えたわけです。悩みに悩み抜いた末、「働く時間を減らすしかない」という結論に至ります。

そこで、始業前に1時間半ほど前業をしていたのを、そのままブログ執筆の時間に充てることにしました。それからは、毎朝、会社近くのマクドナルドで、始業直前までブログを執筆するようになったのです。

細かい話をすれば、通勤時間・電車に乗っている時間もスマホでブログ記事の下書きを書いたりすることもありました。このように、当時の私は限られた時間の中でブログを書く時間をなんとか捻出していたのです。

私の経験から皆さんに学んでいただきたいこと。それは自分の人生にとって大切な時間を事前に天引きしたうえで、情報発信にかける時間を考えることの大切さです。

なぜなら、こうしたプロセスで情報発信に費やす時間を考えていかないと、どうしてもムリな形の習慣を作り上げてしまうからです。ムリな形で情報発信し、さらに副業でセミナー講師をしようとしても、うまくいくはずがないのです。

人生で大切な時間は「天引き」しておく

では、具体的にどうやって情報発信に費やす時間を考えたらいいのでしょうか? 最初のステップは、皆さんにとって大切な時間を見極め、それに対して投資する時間を前もって決めてしまうことです。

たとえば私の場合、睡眠時間は原則8時間確保しています。また、17時以降は家族と過ごしたり、リラックスしたりする自由な時間です。平日であれば昼休みの1時間を除く9時〜17時は会社の仕事が入ります。こうして考えていけば、必然的にいつ情報発信ができるかは、次の図1のように答えは明らかになります。

この図表の場合、6〜9時の3時間と12時〜13時の1時間、計4時間が情報発信に費やせる時間となるわけです。当然ながら、この中に通勤の時間なども含まれます。なので実質的に使える時間はもう少し短くなります。

私自身もブログをスタートした時に費やせた時間はせいぜい1日2時間でした。ここまで書いてきた通り、ムリをすると続きません。これから情報発信をスタートされる方は、1日1時間も費やせたら御の字と考えましょう。

くりかえしますが、大切なのは線引きです。自分にとって大切なことに使う時間はしっかり確保し、限りある時間で情報発信をするようにしましょう。

まずはとにかく200記事書いてみる

情報発信に費やす時間を決めたら、次は「具体的にどうやって情報発信をしていくか?」を考えます。キーワードは「ハードルを下げる」です。説明していきましょう。

一番最初にお伝えしたいのは、どんなクオリティでもいいので「とにかくコンテンツを作ることが大切!」ということです。情報発信でよく議論になるのが「記事の質」と「更新頻度」のどちらを優先するかです。

たとえば週に1回、ものすごく良いクオリティのブログ記事を書くのと、そこそこのクオリティで毎日ブログを書くのと、どららがいいのかという話です。私の答えは「人による」なのですが、これから情報発信をはじめる人は記事のクオリティよりも更新頻度を優先することをおすすめします。

理由はいくつかあります。一つは情報発信をはじめたての時は良いクオリティ、すなわち「質の高いコンテンツ」がどんなものかわからないからです。

たとえばブログをはじめたばかりの人が20時間くらいかけて自分なりに質の高い記事を書いたとします。でもそれが読者にとって質の高い記事に仕上がっているかは、世に出してみないとわかりません。

たとえば私はYahoo!ニュースに継続的に記事を配信しています。どの記事も20時間近くかけており、いずれも自分の中では渾身の出来です。しかし、はじめの頃は今と比べればコメントなどもほとんどつかず、全くと言っていいほど反響がありませんでした。

今でこそ「こう書けば読まれる」という感覚がわかってきましたが、それは「読まれる記事」を書いたことではじめてわかったことです。10回くらいYahoo!ニュースに記事を配信し、ようやく1つの記事で大きな反響を得ました。その時はじめて「こう書けば読まれるんだ」という感覚がわかったのです。

つまり、質の高い記事=読まれる記事を書くには、読まれる記事の書き方を探り当てなければいけないということです。ここで私が「探り当てる」と表現したのは、トライ&エラーが必要というニュアンスをお伝えしたかったからです。

これから情報発信をはじめる人は、まずは200回トライすることを目指してほしいと思います。少なくとも私はブログを200記事書いたあたりから読まれるようになりました。

当たりを引けるかどうかは運も影響します。センスがある人は私より早い段階で当たりを引くことができるかもしれません。200記事作っても当たりを引けない人もいるでしょう。それでも当たりを引くまでやり続ける。これしかないのです。だからこそ、ムリなく楽しく続ける仕組み・やり方が大切なのです。

私がしつこく「楽しく続けられる仕組みが大切」と力説してきた理由がようやくわかってもらえたのではないでしょうか。

滝川 徹(時短コンサルタント)
1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年6月11日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。