副業・セミナ-講師の最初の一歩が踏み出せない人が見落としている視点(滝川 徹)

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自分が好きなこと・得意なことを人に教えるために資格を取ったり、学んでいる人も多いだろう。しかし実は、講師になるために一番大切なのははじめの一歩をとにかく踏み出すことだ。

そう語るのは現役会社員・副業講師の滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』より、副業講師のはじめの一歩の踏み出し方について、再構成してお届けします。

一回セミナーをやってみる

セミナー講師になるために一番大切なのは、実は最初の一歩を踏み出すことです。とにかく一回セミナーを開いてみる。これにつきます。当たり前のことをなぜ私が強調するのか。

それは私のまわりを見ていても、セミナーを開催することを躊躇して最初の一歩を踏み出せない。そんな人があまりにも多いからです。本を出している著者とかでもそうなのです。

彼・彼女らに「セミナーをやったりしないのですか?」と聞くと「いつかは開きたい」と言うのです。「やればいいじゃないですか」と私は率直に言ってしまうのですが(笑)、たいていの場合「まだ自信がない」という趣旨の反応が返ってきます。

セミナー講師をやる資格が自分にあるのだろうか。そう自問自答してしまうのでしょう。昔の私もそうだったからその気持ちはよくわかります。

ここでのポイントは、本を出す著者のような人でもセミナーを開くことに抵抗を感じるということです。著者は、少なくとも書いている本のテーマについては専門家のはずです。彼・彼女らにセミナーを開く資格がないわけがないですよね。

それでも資格がないと感じてしまう。ここに多くの人がセミナーを開けない理由があります。皆さんがセミナーを開こうと思った時、同じように感じる確率はものすごく高いでしょう。

ではそう感じた時、どうすればいいのかというと、勇気を出して一歩踏み出すことです。これしかありません。参考までに私が講師デビューしたきっかけをお話ししておきたいと思います。

ブログ仲間から勉強会をリクエストされる

私が有料のセミナーをはじめて開催したのは2016年7月でした。タスク管理の師匠である大橋悦夫さんに誘われたことがきっかけでした。

しかし実は、セミナー講師としてデビューしたのは2015年3月です。この時は無料のセミナーを開催しました。きっかけはブログ仲間のみっちゃんから「タスク管理の勉強会を開催してほしい」と依頼されたことでした。

「え、そんな需要あるんだ」というのが私の最初の反応でした。言うまでもありませんが、当時の私は自分にそんな資格があると思っていません。はじめは社交辞令だと思ってスルーしていました(笑)。しかしその後も会うたびに依頼されます。

この人は本気なんだ。そう感じた私は重い腰を上げることを決意します。「やります」と私が伝えると、みっちゃんは会場を手配してくれ、さらに友人を誘ってくれました。その他のブログ仲間も来てくれ、私のデビュー戦の参加者は7人となりました。

その中には私のブログを熱心に読んでくれている人もいました。「スタオバさん(私のペンネーム)に今日は会いにきました」と言われた時は嬉しかったです。情報発信をしていて良かった。そう感じました。

当時のブログを読み返すと「自分でもできるという大きな自信を手に入れることができた」と書いています。この体験以降、私は無料の勉強会を何度か開催することになります。

そうして2016年7月に初の有料のセミナーを開くことになるのです。

友人・知人を誘ってまずは勉強会を開こう

私の実体験を通して皆さんにお伝えしたいのは、最初は仲の良い友人を誘ってセミナー・勉強会を開催してみようということです。

正直、私のように、誰かが声をかけてくれるのを待っているのはもったいないです。目的ははじめの一歩を踏み出すこと。その場合、大切なのは「自分にもできる」と少しでも感じることなのです。そう感じることさえできれば、次の一歩に進むことができるからです。

勇気を出して、知人・友人に声をかけてみてください。こういう時に大切なのは、最初の一人をまずは獲得することです。「実は自分はこんなテーマをけっこう勉強していて、今度勉強会を開いてみようと思うんだ。よかったら参加してみない?」と知人や友人に声をかけてみましょう。

そうして一人でも参加者が決まると、後がラクになります。私の場合、デビュー戦の受講者は7名でしたが、はじめは5名前後がちょうどいいと思います。このくらいの人数を目安に声をかけてみましょう。

参加者が決まったら、あとは日程調整と会場の確保です。会場についてですが、もし会社の同僚に対してやるなら、許可を得たうえで会社の会議室を使ってみてもいいでしょう。

どこか別の会議室を取る場合でも、知人・友人数人に対して行うなら、大きな会場を確保する必要はありません。そんなに費用もかからないはずです。知人・友人との関係にもよりますが、会場代は全員で折半すれば出費も一人あたり数百円で済むでしょう。

私の場合もデビュー戦は受講者で割り勘してもらいました。デビュー戦の目的はとにかく講師を体験する。これに尽きます。会場はどこでもいいし、費用をかける必要もありません。とにかくはじめの一歩を踏み出す。

自分には資格がないという心理的ハードルをどうやって乗り越えるか、これが鍵です。気軽に話せるメンバーを集めてでも、まずは一度開催してみてください。最初の1回の壁さえ乗り越えてしまえば、次からはびっくりするくらい抵抗なく開催できるようになります。

勇気を出して1回目の壁を越えましょう。健闘を祈っています。

滝川 徹(時短コンサルタント)
1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年6月13日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。