「面倒くさい」という感情への対処法

黒坂岳央です。

人間の発展性、可能性を打ち砕く感情は「面倒くさい」である。

・新しいことを始める。
・過去と違ったやり方で問題解決を図る。
・重要なスキルを時間をかけて育てる。

このすべてにおいて「面倒くさい」という感情が生まれがちだ。人が新しいことを始めたり、努力を継続できない最大の理由は「面倒くさい」という感情に敗北しているからであり、「できないのは資金や能力が不足しているから」というのは、後づけで思いついたもっともらしい言い訳に過ぎない。

面倒くさいと感じた時の対処法について考察したい。

metamorworks/iStock

状況はみんな同じだと知る

自分自身が昔は面倒くさい感情に負け続けていたのでよく分かるのだが、「面倒くさい→やらない」と考える人は「他の人は若いからできる。才能があるからできる」と所与の条件に助けられて克服していると勘違いしがちである。「一体、どうやったらやる気になるのか?できる人は秘密の方法があるのではないか?」と考えてしまう。だが、これは間違いだ。程度の差こそあれ、誰しも面倒くさい感情と戦っている。

新しいことを始める。過去と違ったやり方で試してみる。これらは本来、誰にとっても面倒くさい。これまでと同じでいいなら、その方が脳は楽ができるし時間も手間もお金もかからないからできればその方が良い。だが、時代や社会が変化して自分が変化しなければ負けてしまうので、必要性に駆られてたとえ面倒くさくても、努力して新しいことに挑戦するのだ。面倒だが、必要ならやる人と、必要でも面倒だからやらない人にわかれるだけであり、最後は本人次第である。

放置するともっと面倒くさくなる

多くの場合、面倒くさい状況を放置するともっと面倒くさくなってしまう。これを理解しておくと最初の一歩を作ることができる。

たとえばサイトの記述や、説明がわかりにくいとクレームが付いたとする。そのまま改善せず放置してしまうとどうなるだろうか?結果、わかりにくい状況が続くので、閲覧者が増えるほど問い合わせが増える。問い合わせが増えるとその対応するリソースの方が大変になるし、利用者にとっても不便になる。つまり、全員が不幸になってしまうのだ。

それなら一時的に面倒くさくても、頑張ってわかりにくい状況を改善してしまう方がいい。そうなれば少なくとも、後続の閲覧者を迷わせることがなくなるので面倒くささは改善される。

確かに目先の課題解決は面倒くさいが、将来利息がついてもっと面倒くさくならないためにも迅速に対応する方が合理的なのだ。

重要なことは面倒くさい

上述した通り、これまでと違った課題解決のアプローチや新しい挑戦をするといった重要なことほど面倒くさい。なぜなら、意思決定や情報収集など必要とされるタスクが多いためである。ルーチンワークで対処できる小さなことは面倒くさくないが、重要で発展性が期待できることほど面倒くさいのだ。

つい先送りにしたくなるようなことほど、実は重要度が高いのだ。それなら面倒くさいなと心の中で感じた瞬間に手帳のカレンダーなどに「いつ対応するか?」を書き出しておく。問題を言語化することで脳がToDoタスクとして認識をするので、具体的に課題解決のためのプロセスを計算し始める。そうなれば後はやるだけだ。

自分はこれをするようになったことで、必要なことをバシバシ対応できるようになった。とにかく文字にして書き出すことである。「やらないと行けない問題がずっと脳内を占める」という状況の苦しさに負けて、瞬間的に面倒くさくてもすぐさま対応できるのだ。

「面倒くさい」という感情をハックすることができたなら、その人は成功が約束されるだろう。なぜなら何でも継続できるし、新しいことを始めることだってできる。一部の天才を除けば、人間の生まれ持った能力に絶望的な格差などない。あるとすれば、絶望的な行動力の格差である。この行動力の差は面倒くさいという感情から生まれているのだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。