総務省『伝統メディアの誤報は有害性が小さいから偽情報に含まれない』??

ねーさん

誰がこんなことを言ってるんだ

総務省「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」WG論点整理案

総務省に「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とそのワーキンググループがあり、論点整理案がUPされています。

総務省|デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会|デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会*1

総務省|デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会|デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会 ワーキンググループ(第29回)配付資料*2

ワーキンググループ論点整理(案)*3

ここにおいて信じがたい記述が。

『伝統メディアの誤報は客観的有害性・社会的影響の重大性が小さいから対応すべき偽・誤情報に含まれないとすべきでは』

対応を検討すべき「偽・誤情報」の定義・範囲

① 検証可能な誤りが含まれていること
② 次の各要素の有無・軽重に照らし、具体的な方策との関係で比例性が認められること
ⅰ.当該情報そのものが有する権利侵害性その他の違法性や客観的な有害性(及びその明白性)
ⅱ.当該情報が流通・拡散することによる社会的影響の重大性(及びその明白性)
例)人の生命、身体又は財産に重大かつ明白な悪影響を与えるような情報
重大な社会的混乱を招くような情報
ⅲ.①の誤りが含まれていることについての検証の容易性(誤りが含まれていることの明白性)

②の要件について『パロディ・風刺や伝統メディアによる誤報など、「客観的な有害性」及び「社会的影響の重大性」がともに小さい情報については、対応を検討すべき「偽・誤情報」の範囲に含まれないものと考えることが適当ではないか。』

どうやらこれを言っているのは関西大学社会学部メディア専攻准教授の水谷瑛嗣郎氏のようです。 日本ファクトチェックセンター運営委員でもあります。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000954330.pdf

「伝統メディア」による重大な誤情報・仄めかし報道の歴史:関東大震災・大本営発表・ALPS処理水・処理土・「低線量被爆」など

東京日日新聞大正12年9月3日上半分

「伝統メディア」による重大な誤情報・仄めかし報道の歴史には枚挙にいとまがありません。戦前は関東大震災での朝鮮人暴動の誤報道大東亜戦争時の数々の大本営発表、戦後は朝日新聞のサンゴ切り付けKY事件や朝鮮人慰安婦が日本軍に強制連行されたとする吉田清治証言における捏造や福島第一原発事故への対応をした吉田昌郎所長の調書の内容の捏造、最近ではALPS処理水の海洋放出や・処理土空間線量に関する「低線量被爆」などといった仄めかし報道など、【「客観的な有害性」及び「社会的影響の重大性」】が深刻なものは多岐にわたります。週刊誌の記事では皇室や一国民への口汚い陰口などが溢れかえっています。

朝日新聞福島総局長の捏造疑惑炎上ではっきりした「不安な空気」を創っては拡散する「風評加害者」の正体(林 智裕) | 現代ビジネス | 講談社(3/5)

なぜ新聞・週刊誌・テレビ局などの誤情報については対策の対象外とするのか?

総務省の論点整理案には一部の委員からの非常に不可解な主張が盛り込まれており、こんなものが採用されてはいけないと思います。


編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。