セミナー・講座で手間と労力をかけずに集客する最良の方法(滝川 徹)

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セミナーや講座の集客は大変。そう感じる人も多いだろう。しかし実は「継続型」の講座を作れば集客の手間と労力は1/12になる。

そう語るのは現役会社員・副業講師の滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』より、手間と労力をかけずに集客する方法について、再構成してお届けします。

集客のストレスをいかに減らすか

セミナー講師を続ける秘訣は何か。そう聞かれれば、私は「いかにラクに続けられる仕組みを整えられるか」と答えます。

主なポイントは2つです。一つは集客ロード(手間と労力)を極限まで減らすこと。もう一つは、セミナーの準備にかけるロードをどれだけ減らせるかです。この記事では集客ロードを中心にお話しします。

なぜ集客ロードを極限まで減らすことが大切なのか。それは、セミナー講師で一番大変なのは集客だからです。

集客の難点は、セミナーを開催する心理的ハードルがものすごく高くなることです。告知ページを作る手間はもちろんですが、それ以上に問題なのが人が思うように集まらない時です。

そうなると「自分は人気がないのかなぁ」「自分には価値がないんだ」などとネガティヴな感情に襲われます。誰でもこうした感情とは向き合いたくない。多くの人がセミナー講師を続けられない理由がここにあります。

経験を積めば、人が集まらなくて当たり前であること、そのことと自分の価値は全く別だということはわかってきます。しかし場数を踏まないと、なかなかこのことが腑に落ちません。セミナーを開くことがしんどいと感じてしまうのです。イヤな気持ちを味わいたくないからです。

だからこそ、こうした気持ちをできる限り感じずにすむ仕組みを作ることが大切です。そうして私がたどりついたのが「継続型セミナーを作る」ことでした。どういうことか、説明していきましょう。

継続型セミナーの利点とは?

まずは私が定期的に開催している継続型セミナーの説明から始めましょう。私は現在、1年かけて毎月セミナーを受けてタスク管理を身につける全12回の講座を開催しています。

受講料は毎月1万2000円の月謝制。8名限定の講座です。この講座をはじめることで、私は苦なくセミナーを続けることができるようになりました。私がこの講座で感じるメリットを一つずつ説明していきたいと思います。

一番のメリットはなんと言っても集客ロードが12分の1になったことです。通常12回セミナーを開くとすれば、12回告知ページを作り、集客をしなければなりません。しかし1年間の継続型セミナーの場合、最初に全12回の講座で、それぞれのテーマはこんな内容ですよと示しています。だから1回の告知で済むわけです。

講座の受講料はPayPalを活用した月謝制になっています。ブログの告知ページにはPayPalの申し込みボタンが設置してあります。受講者には最初に申し込んでいただく時にここからPayPalの定期支払いを締結してもらうのです。そうすると、受講者が解約しない限り、毎月自動的に受講料がPayPalを通して支払われます。

つまり、最初に1回告知をして受講者に申し込みさえしてもらえれば、セミナーの売上も毎月自動的に入ってくるのです。こうして考えてみると、ものすごくラクな仕組みですよね。

ちなみに私がこの月謝制を思いついたのは、心理カウンセラーの心屋仁之助さんがきっかけでした。心屋さんは以前「Beトレ」というセミナーを毎月2回開催していました。5000円超の月謝で多い時は4000人超の会員がいたそうです。単純計算すると月2000万円の売上が続くわけです。

私もこれはすごい仕組みだなと感じ、自分でもやってみよう──そう思って実行したのです。

キーワードは「少人数・高単価・サブスク」

一方、私の場合は心屋さんほど集客力がありません。そこで考えたのが少人数・高単価・サブスクでした。人数を絞る。そのかわり単価を高くすればいい。そう思いついたわけです。受講生にとっても、少人数であれば得られるメリットは大きいと感じるはずだとも考えたからです。

たとえば参加者が30人、50人といれば、どうしても講師に質問できる機会は限られます。講師と直接やりとりする機会が減るわけです。でも8名限定の講座であれば、講師と密にコミュニケーションが取れる。

そうすると、その分、受講者も成長できる。それならある程度高いお金を払っても受けてくれるのではないか。そう考えたわけです。結果的にこの戦略はうまくいきました。はじめて継続型講座を企画した際には満席となったのです。

この話から参考にしていただきたいのは、集客力がない段階では「少人数・高単価・サブスク」──この3つを意識するといいということです。

月謝制はwin-winの最強のビジネスモデル

月謝制のいいところは、講師と受講者の双方にメリットがあることです。講師側のメリットは、毎月安定した収入を得られることです。毎月単発でセミナーをやっていると、どうしても月ごとに集客人数・売上にばらつきが生じます。

一方で、月謝制の場合は受講生がやめない限り、毎月同じ売上が入ってきます。これは副業としてビジネスをするうえでとても大きいのです。毎月一定の収入が得られる見込みがあると、安心してビジネスに投資できます。

たとえばZoomの場合、ミーティング時間を無制限で利用しようとすると本書執筆時点で月額2125円かかります。これを1年間利用しようとすると2万5500円(2125円×12ヶ月)となります。

一方、1年一括契約の場合2万100円です。つまり、一括契約のほうが5400円安いわけですが、集客がゼロの月もあるかもしれないと考えてしまうと、一括契約に踏みきるのはむずかしいものです。

月謝制のセミナーをやっていれば、1年通してZoomを利用する可能性が高いので迷わず一括契約を選べます。そうすると5400円を節約することができるわけですね。これは一つの例ですが、安定した収入が見込めればこうして効果的・効率的にビジネスに投資できるようになります。

継続型セミナーは受講生の成果も出やすい

では、継続型セミナーは受講者にはどんなメリットがあるのでしょうか。それは毎月セミナーを受け続けることで成果が出やすくなることです。

たとえばテニスやピアノを習う時のことを想像してみてください。3ヶ月や半年に1回受講するより、毎月継続して先生に習ったほうが早く上達しますよね。セミナーで教えるノウハウも一緒です。

たとえば私が教えるタスク管理の手法も、1回セミナーを受けるだけで身につけるのはとてもむずかしいものです。多くの人はその後は続けられずに挫折してしまいます。継続型のセミナーに参加される場合、毎月セミナーに参加することがモチベーションとなり、受講者はタスク管理を続けられます。そのうえ、わからないことがあれば、その都度、私に聞くことができます。こうして毎月継続して学ぶことで、タスク管理を確実に身につけることができるわけです。

このように、月謝制は受講者と講師双方に大きなメリットがある、講師として最強のビジネスモデルであると私は考えているのです。

レベル別のセミナーを作ってリピートしてもらう

レベル別の継続セミナーを作って既存の会員にリピートしてもらうことも、セミナー運営では効果的です。

たとえば私の場合、タスク管理を教える継続セミナー(レベル1)の次のステップとして、副業・自分のビジネスをはじめる継続セミナー(レベル2)を提供しています。受講者にはまずタスク管理セミナーを通して、残業ゼロをはじめとした理想の働き方を手に入れてもらいます。その次のステップとして、私のように副業・自分のビジネスを築いていくノウハウを継続セミナーで教えていくのです。

この手法が効果的なのは、すでに受講者側と私との間で関係性が出来上がってるからです。受講者はレベル1の講座で1年間私とやりとりをしています。しかもレベル1の講座を受講して私のセミナーの効果を実感している。そうするとレベル2のテーマに興味をもっていれば、同じ効果を期待してセミナーを受けてくれるというわけです。

講師側としても慣れ親しんだメンバーと引き続きセミナーができるので、運営も圧倒的にラクになります。お互いそれまで何度もやりとりしているので、勝手がわかっているからです。

もちろん、全員が継続してくれるとは限りません。たとえば副業に興味がなくて私のレベル2の講座を受けない人もいます。それはそれでいいのです。もしレベル2のセミナーに空きがあるなら、新たな受講者に向けてセミナーの告知をすればいいわけです。

このようにレベル別の継続セミナーを作ると集客ロードがさらにラクになります。ぜひ試してみてください。

滝川 徹(時短コンサルタント)
1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。

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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2024年6月17日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。