この三連休はほぼ家にいました。その前の週に四国を旅していたので家事をしないといけなかったのと、疲れがたまっていたからです。
とはいえ三連休にどこにも行かないのもつまらない。「近場へ」ということで車を飛ばし、1時間ほどで着く袋井市にやってきました。車で1時間。わたしにとっては近場です。
やってきたのは可睡斎というお寺です。本来は萬松山(ばんしょうざん)東陽軒といいますが、徳川家康の幼少時に教育係をしていた当寺の仙隣等膳和尚が、家康が浜松城主になった際に久しぶりに会った際に居眠りをしてしまい、家康から「和尚、睡る可し(ねむるべし)」といわれたという逸話から寺全体が可睡斎と呼ばれるようになりました。
可睡斎を含め、袋井市の主要寺社である油山寺、法多山の三山ではいま、寺内に風鈴を掲げて暑気払いをしてもらおうと「遠州三山風鈴まつり」が開かれています。
山門を潜ると本堂に至るまでの間に風鈴のトンネルが現れます。数も多くカラフルでなかなか見ごたえがあります。朝8時半ごろに着いたのですが、すでに何組かの方がここで写真撮影をしていました。
家庭内で風鈴を吊るすとちりちりうるさい印象を持ってしまいます。近所迷惑にもなりかねないので吊るすのをためらってしまいますが、寺社内であればそのようなことは気にすることなく存分に風鈴の音を聞いて涼しさを感じることができます。
本堂でお参りしましょう。本堂の両脇にも風鈴。短冊の部分に絵馬のように願い事を書いて吊るします。七夕飾りのようですね。
可睡斎は本堂の奥の小山に奥の院があります。そう遠くはないので歩いていってみることにします。
雨が上がったばかりの早朝、奥の院に向かう階段がしっとり濡れていていい雰囲気です。
途中、家康公出世の六の字穴とよばれる洞穴がありました。武田信玄との戦いで敗走した徳川家康が逃げ込んで命拾いをしたと言われる洞穴です。六の字とは世間からの解脱を意味する六道や、六地蔵から取られた名称とも言われています。
奥の院参りを終えて本堂前まで戻って来ました。写真ばかりではつまらないと思いますので、みなさんにも風鈴の音を感じていただきましょう。
どうです?涼しくなりましたか?
全国にはほかにも風鈴を掲げて夏を涼しく過ごそうという取り組みをしているところが数多くあるようです。みなさんもぜひお近くの風鈴まつりを訪ねてみてください。
わたしのほうはもうひとつの風鈴寺、油山寺も訪ねました。こちらのほうは次回のブログで様子をお届けしたいと思います。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年7月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。