静岡の中央部、袋井市で風鈴を巡るドライブ。つづいて訪ねたのは油山寺(ゆさんじ)。前回訪ねた可睡斎から車で7,8分の場所にあります。
正式名称医王山薬王院油山寺と呼ばれ、本尊は薬師如来です。奈良時代に行基が開いたといわれており、1300年もの歴史を持つ由緒正しいお寺です。
山門をくぐると緑の木立が涼やかな印象。夏にここを散歩するとひとときの涼が得られます。その涼をさらに増してくれるのが夏の風物詩、風鈴。参道の右手に並んでいるのがわかります。
この時間はあまり風がなく残念ながらあまり音が鳴ることはありませんでしたが、眺めるだけでも涼しい気持ちにさせてくれますね。
あじさい柄にひまわり柄。夏にちなんだ模様の風鈴が並びます。
寺の中には小さな川が流れており、そこに架かる赤い橋が何とも風流です。
礼拝門に至る階段にも風鈴。さすがは遠州風鈴三山の一角をなすだけあって風鈴で涼やかな寺巡りを楽しませてくれます。
階段を昇り山門をくぐった先はガラスではなく金属の鐘の形をした風鈴が吊り下げられています。簾が天井に掛かりいかにも夏という感じがしますね。
油山寺は「目の霊山」とも言われています。孝謙天皇が目の病気を患い、薬師堂の本尊である薬師如来に眼病平癒を祈願し、境内にある滝の霊水に加持祈祷を行って目を洗ったところ、病気が全快したという言い伝えが残っています。
噂走るよ め!
…失礼しました。つい「め組のひと」を歌いたくなってしまいました。礼拝門を抜け再び階段下まで降りてきます。実は油山寺はもっと奥に薬師如来が祀られており、そこまで至る道は林の中、小川の脇を歩いていくまるでちょっとしたハイキングに来たかのような印象です。
そんな道を抜けていった先にちょっとした滝がありました。これが孝謙天皇が目を洗ったところ病気が治ったとされる「るりの滝」です。ところでこの滝、あることができるんですがおわかりでしょうか。
それがこちら、滝行。1日4回行われているそうで多くの方が滝行で身を清めているそうです。
鉄道系Youtuberの西園寺さんとZAKIさんが社員旅行でここを訪ね、滝行を体験しています。はい、わたしはやりませんでした。
この先薬師如来の宿る薬師堂へは再び階段を登っていきます。結構長い階段ですが頑張って登っていきましょう。
がんばって登った先で三重塔が出迎えてくれました。この辺りにはもう風鈴はありません。それがなくとも凛とした雰囲気が漂います。
油山寺で最も高い場所に宿る薬師如来像にお参りをして帰路につきました。
風鈴はもちろんですが、寺全体が緑に包まれ滝行ができる滝まで持つ1300年の寺、油山寺。ちょっとした夏の散歩で訪ねるにはちょうどいいお寺でした。
先にご紹介した可睡斎や、厄除けで有名な法多山とともに、お近くに来た際にはぜひこちらも訪ねていただいてひとときの涼を楽しんでみてはいかがでしょうか。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年7月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。