本書に載っている英文を参考にしながら「英語を書く」ことを習慣づけることで、英語が苦手な人でも英語力がアップします。また、単語やコメントにプラスする、ちょっとしたイラストアイコンのバリエーションも紹介されている作品です。
「英語ではじめる〝ちょこっと”日記」(神林サリー著)永岡書店
日記の主役は 「私」。 主語の基本は「I」
神林さんは、英語の構成について次のように解説します。
英作文で初心者がつまづきやすいのは 「主語」 を何にするかです。英語で主語はとても重要ですが、 日本語は主語なしでも通じます。
「今日はパスタを食べた」
こう書きたいとき、主語は何でしょう?主語は「今日」ではありません。
「食べた」のは 「私」 ですよね。
「(私は)今日はパスタを食べた」
日本語を英語に置き換えてみましょう。簡単な文でも、日本語をそのまま訳そうとするとヘンな英語になりがちです。 書きたい日本語を英語にするときは 「主語は誰?何?」から考えるクセをつけましょう。
日記の主役は「私」 ですから、 難しく考えず、最初のうちは自分や人を主語にした日本語に変換してから、 英語で書いてみるのです。
「I had pasta today.」
※「食べた」はate でもOK
日記に書く出来事は、基本的にすでに起こったことです。 英語の動詞は過去形で書きます。これを常に心得ておくこと。英語は時制の一致にとてもウルサイのですが、日本語ではあまり気にしません。
世間に蔓延る間違った勉強法
多くのビジネスパーソンが英語に苦手意識を持っています。この問題の根源は間違った勉強法にあります。例えば、単語帳などを買ってきて覚えようとしても効率的ではありません。単語の暗記をいくらしても、自分自身で納得感がなければ使いこなせないからです。
CDを聞き流すことで学習力が向上するスピードラーニングという方法があります。まずCDを聞き流しても上達はしません。聞き流すことによって、「英語に慣れる」程度の効果はあるでしょう。でも、もし聞き流すだけで英語がうまくなるなら、CDを聞いたり、テレビを見るだけでピアノやサッカーが上手になっているはずです。
必死に英会話スクールに通う人がいます。しかし、ネイティブな人と会話するだけでは上達はしません。やみくもにスクールなどに通っても得策ではありません。
ビジネスに関わらず、様々な局面で活用できるところに英語の面白さがあります。日本語に翻訳された海外の小説もありますが、原書ではどのように記されているのか気になるものです。英語のリーディングが得意になれば原作を楽しむこともできます。原作で楽しめれば出版されるまで待つ必要もなくなります。
英語はコミュニケーション・ツールなので間違った勉強法を頑張ってはいけません。もう少し英語を気軽に考えてみましょう。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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