子供の将来を潰すダメな子育てはこれだ!

黒坂岳央です。

これまで育児本などの情報を数多く見て、自分自身が8年以上ずっと育児をしてきて気づいたことがある。それは「親がまるで上司のような育児」は控える方が良いということだ。

もちろん、子供の性格や特徴はあまりにもそれぞれ違うが、子供が親の指示を受け身で処理するという硬直的な育て方では、子どもの持つ創造性や主体性を失ってしまうリスクがあると思うのだ。

あくまで個人的な独断と偏見による育児論だが、何らかの参考になれば幸いだ。

yamasan/iStock

子供を尊重する重要性

子供と接して驚かされることは数多くあるが、そのうちの一つが「子供は驚くほど親の言動をしっかり見聞きし、そして頭に残っている」ということである。「あの日、あの時、パパはこういうことをいった」ということを非常に細部まで記憶している。子供は大人ほど言語化能力が鍛えられていないために、その場ではハッキリと口に出さないことも多いが、実はしっかり記憶している。

「子供だからどうせわからないだろう」と雑な対応をすると、確実に信頼関係を損ない、後で子供が話を聞いてくれなくなるので止めておいたほうがいい。

よく、「子供は一人の人間なので尊重しましょう」と言われる。大変当たり前のことのように聞こえるが、実際これができていない親をすごく見る。仕事や家庭で忙しいと、気持ちの余裕がなくなり時には大人にはしないような雑な対応を子供にしてしまいがちだ。

まるでパワハラ上司が力関係を利用して、恫喝して無理に言うことを聞かせるような親の姿を外出先で見ることがある。しかし、その相手を軽んじる態度を子供は確実に記憶しており、それは後々にトラブルの元になる。自分のためにも、大人にはしないような対応を子供にもしない方が良い。

「頼れる先輩」が理想

自分が意識しているのは、子供にとって絶対的な神のような存在ではなく、頼れる先輩のような相談役だ。

子供が困った時、不安な時は「こうすればいい」とビシッと解決策を提示して従わせるのではなく、とにかく子供の話を聞く。「どうしたらいいと思う?」と自分で考えさせて、迷っていたら後ろからポンと背中を押すイメージだ。先日、夏休みの自由研究についてどうしたらいいか迷って相談をされたので、二人であれこれアイデアを出し合ってブレインストーミングした。最後はたくさん飛び出たアイデアから自分で組み合わせて自己解決していった。

困った時に相談できる、悩んだら話を聞いてくれる、道を示すのではなく一緒に考えてくれる。そんな存在が身近にいれば子供の主体性を奪うことなく、勇気を持ってドンドン挑戦ができるだろう。子供の代わりに親が決めるのではなく、子供が決める手伝いをするのだ。自分はとりあえずその考えで育ててきたが、今のところはうまくいっているようである。

子供のじゃまをしない

親は子供にとってあまりに信用されている存在である。そのため、その気になれば子供の進路のすべてを親が道を敷くこともできてしまうし、実際そうする親もいる。

先日会った親から「うちの子は勉強できないから、4人全員を自衛隊に入らせた。これなら今後も仕事に困ることはないし安心」という話を聞いたが、自分からするととても恐ろしい話に感じた。自衛隊に入る事を問題だといっているのではない。そうではなく、子供の主体性なき就職を親の判断で実現させてしまったことが問題だという話だ。

時代の変化が激しい現代、前時代の人間が発想できることなどこれからの時代に通用しない可能性が高い。時代を作るのは常に若い世代である。彼らはその時代の先端のテクノロジー、時代のニーズを敏感に感じ取って最も新しい道を自ら探し出す。多くの場合、年上の前時代的なアドバイスなどじゃまでしかない。年長者の役割はやかましく口を出すのではない。真に出すべきは挑戦に必要な資金と応援だけである。

親が神様か上司のような存在を演じれば、子供は親を盲従する。結果、年齢は若いのに頭の中が時代遅れになってしまう。そして自分で考え、自分で選択しない人間が出来上がる。子供の人生を潰してしまうのは大抵、でしゃばりな親である。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。