九州北部海岸線をたどる旅①:福岡&糸島編

8月14日から17日まで、九州北部を旅してきました。

本来であれば16日に帰る予定でしたが、台風が東京に迫り東海道新幹線が事前に運転休止を決めたことから予定を変更して17日まで旅することにしました。1日滞在を伸ばした分予定していなかった場所も訪ねることができました。今回の旅の報告はまた順を追ってここでしたいと思います。

さて、今回の旅のテーマは「九州北部の海岸線をたどる旅」。夏は海は一番似合う季節。福岡から西に向かい長崎県の平戸までレンタカーで海岸線をたどりつつ旅をしました。今回はその始まり、福岡市と糸島市編です。

① 福岡の夫婦岩はめっちゃリゾートでした

はじめに訪ねたのは「桜井二見ヶ浦」と呼ばれる場所。福岡市と糸島市のちょうど境目にあります。そこには夫婦岩があって、神社になっていると聞き、ああ、きっと荘厳な雰囲気何だろうなぁと思っていました。

めっちゃリゾートやんけ。二見ヶ浦近辺の海はパームビーチと名付けられカフェなんかも建っています。リゾート気分を味わいたい家族連れやカップルでごった返していました。お盆期間中ということもあって道路は車で溢れかえり、車を停めるのもやっとの状態でした。

二見浦のいうと三重のそれを想像し、観光客はいるもののどこか落ち着いた神々しさを感じさせる場所と思って行ったのですが、想像と全く違っていました。

パームビーチに車を停めて海岸沿いを歩きます。時折波がすぐそこまで迫ってきます。あぁ、夏だね。パームビーチという名の響きから杉山清貴&オメガトライブの「ガラスのパームツリー」を口ずさんでいる自分がいました。あぁ、世代だね。これ冬の歌だけど。

パームビーチの駐車場から10分ほどで桜井二見ヶ浦に到着しました。白い鳥居が青い海に映えます。櫻井神社の宇良宮としておまつりしているご神体です。夫婦岩と呼ばれる2つの岩は、右の男岩が「いざなぎのみこと」、左が女岩で「いざなみのみこと」とされています。

荒波の中で寄り添う夫婦の姿をしていることから夫婦円満のご利益があるといわれています。かつて伊勢の二見浦を目にした人々がその姿が似ているということからご神体として崇めたとされています。

ちなみにこの辺りの大字は「志摩」。明治時代に志摩郡と名付けられたそうですが三重県の志摩半島にちなんだかどうかは不明です。

鳥居の前で記念写真を撮ろうとしている人々の長い列。

神社なんですが、賽銭箱も拝殿もここにはありません。でもやはりご神体ですから鳥居の前でお参りはしましょう。

② 糸島の「とったん」で塩を作る

桜井二見ヶ浦でお参りをすませると、再び車を西に走らせます。

わたしは単身赴任をしているのですが、夜は外食はあまりせずにできるだけ自炊しています。調理に欠かせないのが塩。旅先でよく塩を調達するのですが、糸島では岬の先端で塩づくりをしている場所があると聞いたのでそこまで行くことにしました。

その製塩所があるのは上の地図の矢印の部分。福の浦と呼ばれる地域です。車を走らせると行き止まりの場所に駐車場があり、その先は歩いてしか行けません。その歩道の先端にあるのが「またいちの塩 製塩所工房とったん」。まさに「突端」にある製塩所です。

そんな突端にある製塩所「とったん」。手作り感満載の施設です。

クリーンエネルギーの塩田?(左)と竹の塩田(右)

この建物の中で塩づくりをしているのですが、近年は九州大学と産学連携でクリーンエネルギーを使った製塩技術の開発にも取り組んでいるようで時代の最先端を走る製塩所でもあります。

先ほどの写真でわかるようにここも結構な人で賑わっています。そのお目当てはこのプリン。塩の効いた珍しいプリンです。おみやげにたくさん買っていく人もいましたが、ここで食べることもできます。普通のプリンに比べると塩のパンチが効いているなと感じます。海辺で食べるにはちょうどいいかも。

海を見ながらプリンを食べるひととき。
最高の夏休み。

お目当ての塩もゲットしました。竹の塩田を使って濃縮した海水を平釜で炊いたものだそうです。手間暇をかけて作られた海のミネラル豊富な塩。使うのが楽しみです。

③ 夕暮れ間近の鳴き砂の浜へ

「とったん」から車をさらに西に走らせて佐賀県の唐津方面に向かいます。県境にほど近い二丈パーキングエリア(PA)の下に広がる浜が姉子の浜とよばれる美しい浜で天気のいい日はサーファーで賑わいます。今回私は飛行機の都合で午後に福岡入りしたためここに着いたのはPA閉園15分前。ほとんどだれもいませんでした。

向こうに小島「姫島」を望む。

この姉子の浜、砂の中に混じる石英がこすれてキュッキュッと鳴る「鳴き砂」で有名らしいのですが、

風で全然聞こえませんでした。

鳴き砂はゴミが混じってしまうと鳴かなくなるデリケートなものだそうで、姉子の浜でも長い間鳴かない期間があったそうです。もしかしたら条件が悪かったのかもしれません。

私のほかにただ一人浜辺にいた女性。
観光客かと思ったらPAの職員でした。

二丈PAが閉園する18:00が迫ってきて、職員の方に声を掛けられました。写真の撮影を切り上げてそそくさと退場しました。もう少し待ってたら夕焼けがきれいそうだったんですが…

九州北部の海岸をたどる旅はこの先いよいよ県境を超えて佐賀県に入りました。

唐津市浜玉のフォトスポットから見た夕日。1日目の旅もそろそろ終わりです。県境も超えたということで今回はここまで。明日はどんな海の旅になるのでしょうか。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2024年8月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。