シニアに必要なのは「フワちゃん」のようなタメ口の友人

癌になった著名な経済評論家が、最後の遺言のように「日経平均は3000円に下落する」「日航機墜落事故は自衛隊が撃ち落とした」などと荒唐無稽なことを自著に書いているようです。

この方の書いたものは読んだことがありませんが、もしかしたら昔からセンセーショナルなコメントで売っていた方なのかもしれません。

晩節になっても醜態をさらす姿を見ていると、何とも言えない気分になりますが、これは他人事ではありません。

自分も気がつかないうちに劣化して、周囲に老害を撒き散らしている可能性があるからです。

老害とは、時代に合わなくなった自分の過去の価値観にこだわってそれを他人に強制しようとすることです。

昔は正しかったことでも、時代が変われば修正が必要になってきます。新しい情報を取り入れて、世の中の価値観の変化にも対応していく必要がありますが、そのような自分を周囲に合わせる柔軟性は歳とともに失われていきます。

また、日本は未だに年功序列と気配りや忖度の文化が根強く残っています。自分より年配の人に面と向かって正論を展開できる人はほとんどいません。シニアが支離滅裂でトンチンカンなことを言っても、誰も指摘してくれないのです。

だから、シニアに必要なのは年下なのにタメ口で遠慮なく本音でぶつかってくる友人です。

芸能人なら「フワちゃん」のような存在といえば良いでしょうか?

フワちゃん Wikipediaより

フワちゃんは活動休止宣言して地上波から姿を消し、早くも忘れられた存在になってしまったようです。

シニアにとっては、フワちゃんのような友人は、自分の老害をチェックしてくれる「リトマス試験紙」です。だから問題発言をしても、地上波のように何もなかったかのようにスパッと縁を切ってはいけません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年8月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。