これまで、暗号資産投資家、事業を売却した方、海外でスモールビジネスをされている方など、海外移住された方のインタビュー記事を書いてきました。いずれも、30代から50代、日本にいた頃から人生が好循環をしていた方が大半です。
今回は趣向を変え、70歳まで日本国内で結婚のチャンスに恵まれなかったものの、タイ人女性と結婚し、日本とタイの二拠点生活を始める税理士のAさんに話を聞いてみました。(インタビュー日:2024年8月5日)
税務署に勤務後、税理士として独立。一見順調な人生だが、女性に縁が無かった!
――経歴を教えてください。
Aさん:私はMarch(明治・青山・立教・中央・法政)の経済学部を卒業しました。公認会計士を目指していましたが合格できず、27歳で税務署に就職しました。その後、43歳で退職して、税理士になりました。
――税理士の先生方は稼いでいらっしゃる方が多いです。順調に人生が進んでいきましたね。
Aさん:しかし、女性と縁がありませんでした。大学時代、彼女はもちろん女性の友人もいませんでした。税務署に就職して以降も、女性職員と勤務時間に話す以外、女性との接点は皆無でした。
――お見合いとかは?
Aさん:税務署に勤めていた16年の間に、税務署の先輩などがセッティングしてくれて、12回のお見合いをしました。でも、ほぼ全て、私が断ってしまいました。
――なぜですか?
Aさん:20代の頃のお見合い相手は、東京の名家の女性でした。勿体なかったな。でも、20代から30代半ばの私は、何のために結婚をするのか、結婚の意味が分かりませんでした。
――40歳前後になってからは、どうでしたか?
Aさん:その頃になると、紹介される相手が30代後半から40前後の方で、興味がわきませんでした。
税理士として独立、結婚相談所・マッチングアプリに課金の日々・・
Aさん:税務署を退職してから、結婚相談所に登録しました。でも、紹介されたのが30代後半から50歳くらいの年齢の女性ばかりでした。おかしくないですか?
――あまり年齢差が無いほうが決まりやすいでしょうから。
Aさん:私は、20代の女性を希望したんですよ。
――20代の女性から見たら、45歳の男性は、恋人・結婚相手にはなりにくいでしょう。Aさんが20代のとき、45歳の女性を紹介されたら、どうでしょうか?
Aさん:私は断ります。でも、20代の女性で当時45歳の私を好きになる人もいたかも知れないですよね。年齢が近い同士を結婚させるなら素人でもできます。でも、結婚相談所はプロですから、こちらの希望に沿った女性と結婚させてくれないと。
――結婚相談所では、相手を見つけられなかったんですね。
Aさん:2社の結婚相談所に登録しましたが、どちらも、私の希望する20代の女性を紹介してきませんでした。
――難しいでしょうね。
Aさん:次に、マッチングアプリを始めました。何人かと、チャットできる段階に進めましたが、チャットで相手の女性とうまくトークできないと、実際に会うことはできないんです。
――トーク能力の高い男性の方が、女性から見たら魅力的でしょうね。
Aさん:トークができないと、女性と仲良くなれないという世の中には矛盾を感じます。そもそも、日本社会は、男女間で気軽に話せる雰囲気が無いというのも、おかしいですよね。
60歳で子どもを心底欲しくなり、外国人に目を向けるようになった
Aさん:(話しながら急に涙を流しはじめ、、)体が衰えてきて、あとは老いていくだけなのに、自分には妻も子もいない。60歳になった頃、とにかく、子どもが欲しいと心の底から思うようになりました。
――どのように相手を探されましたか?
Aさん:海外の人と出会えるマッチングアプリを始めました。きれいな女性が多いのはヨーロッパだろうと思い、東欧の人達とのマッチングアプリに参加してみました。
――チャットは英語ですか?
Aさん:翻訳ソフトを使って英語でチャットをしていたのですが、ウクライナ人女性と仲良くなれました。日本に遊びに行きたいと言ってくれたので、数十万円を送ったのですが、予定が合わなくなったとか言ってきて、結局来ませんでした。
――ロシアとの戦争の影響ですか?
Aさん:いえ、戦争前の話です。ちなみに、2022年に戦争が始まってから、「戦争で苦しいので、援助して欲しい。」と言ってきましたが、金目当てだと思い、無視しました。
――他にも出会いはありましたか?
Aさん:別のアプリで中国人女性と知り合い、「ビットコインで一緒にビジネスを立ち上げましょう。」と誘われました。この人です(と言いながら、写真を見せてきた)。
――長澤まさみさんに激似ですね。
Aさん:結局、ビットコインを約2500万円分送りましたが、本人に会うこともできないまま、音信不通になりました。
――最近問題になっている「ロマンス詐欺」でしょうね。
結婚相談所を通じて東南アジア某国の女性と国際結婚するも、半年で破局
Aさん:マッチングアプリを諦め、今度は、東南アジアの某国の人を紹介するという結婚相談所に登録しました。登録から1か月以内に、現地で5人とお見合いをすることができました。マッチングアプリでは体験できなかったスピード感でした。結局、18歳の女性と結婚することにしました。
――52歳年下とは凄いです。
Aさん:ただ、妻は日本のビザをなかなか取得することができず、そのまま地元で暮らしていました。私は、結婚相談所に言われるままに、毎月数万円を送金していたのですが、彼女がだんだん金目当てじゃないかと疑うようになってしまいました。
――何かあったのですか?
Aさん:妻の実家は、竹で籠を編む仕事をしていましたが、月の金銭収入は1万円も無かったようです。それなのに、毎月数万円も私が送金するようになってから、妻は、若者たちとパーティで遊ぶようになりました。翻訳ソフトを使ってやり取りしたLINEのやり取りを見てください。妻が音楽の鳴っている動画を送ってきて「パーティに来ている。」とLINEで言ってきたので、私が、「あなたは、もう妻なのだから、妻らしく身を慎んで暮らしなさい。」と返信しました。私の周りに、音楽ががんがん鳴るようなパーティに奥さんが行っている人なんていませんよ。
――70歳と18歳ですから、ジェネレーションギャップはありますね。
Aさん:その数日後に、お金を送って欲しいと言ってきました。お金を要求されるのに嫌気がさし、結婚相談所を通じて、離婚したいと伝えました。わずか半年、実際に会っていたのは100時間にもならない結婚生活でした。
タイ人女性と心安らぐ家庭を作り、東京とバンコクの二拠点生活
Aさん:今度は、タイ人女性を紹介してくれる結婚相談所に登録しました。そして、バンコクで3人の女性とお見合いをして、34歳のいまの妻と結婚することになりました。バンコクから車で約2時間のリゾート地であるパタヤで式を挙げました。
――おめでとうございます。わたしも列席させていただきました。
Aさん:前回の失敗があるので、夫婦が別々の場所に暮らして、生活費を送金するというのは避けたいです。ただ、私のように年齢差のある夫婦では、妻が日本のビザを取るのは結構大変です。
――そこで、Aさんがタイに住むのですね。
Aさん:先月、小峰さんと一緒にバンコクを見て回りましたが、月の家賃が6万円くらいで借りられる高層マンションがありますし、海外とは思えないくらい和食も美味しいし、日本の食材を売っているスーパーマーケットもあるし、便利ですね。私は、タイ語は話せませんし、英語も苦手ですが、日本語だけでも生活できそうなのも有難いです。
――念願のお子様は?
Aさん:子供が生まれたら、インターナショナルスクールに入れてバイリンガルな子に育てたいですね。バンコクで一緒に見て回り、イメージが湧いてきました。
――仕事はどうされますか?
Aさん:インターネットが繋がっていれば、世界のどこにいてもできる仕事がほとんどです。一部のお客様とは対面でミーティングをしていますが、オンラインにする代わりにミーティング回数を増やすと伝えたら、喜んでくれました。
――東京でも仕事はされますか?
Aさん:税務申告の時期は、お客様と会うことが増えるでしょうから東京に出張する予定ですが、それ以外の時期はバンコクに住み続ける予定です。
――税金面はどうですか?
Aさん:はい、日本非居住者になることで、節税にもなります。私自身、税理士ですから、きちんと準備していきます。
インタビューを終えて
Aさんは、プライベートでは苦戦続きでしたが、心安らぐ伴侶を見つけることができました。
今後、バンコクに住みながら仕事とプライベートを両立していくとのことですので、私も全力でお手伝いしていきます。