長期ワーケーションで役に立ったもの、不要だったもの

黒坂岳央です。

筆者は子供の長期休みに合わせて、年に何回か長期でワーケーションをしている。先日も家族みんなで沖縄県へ過去最長の滞在をしてきたばかりだ。本来、ワーケーションは仕事の効率を上げるものではないと考えている。仕事のためではなく、あくまで旅行がメインで旅先でもどうしても必要な仕事を続けるための活動という認識だ。

2020年からリモートワークが急速に広がったことで「観光先で仕事をする」というワーケーションスタイルも支持されるようになった。筆者が長期ワーケーションをする上で役に立ったもの、不要だったものを取り上げたい。

west/iStock

VPN契約と楽天モバイル回線

ワーケーションをする上で最重要のアイテムはインターネット、つまりVPN回線契約と楽天モバイル回線である。今回、長期滞在に備えて両方準備していったが良かったと思っている。

宿泊したホテルはすべて無料でWiFiが利用できた。しかし、セキュリティを考えるとそのまま使うことはできない。特に銀行口座や証券口座へログインは控えたいところである。そこでVPN回線を使うのだ。VPN回線は公衆でのWi-Fi利用時のセキュリティ対策としてメリットがある。

しかし、WiFiも万能ではなく、電波が通じにくい部屋があったりうまく接続ができない場合もある。そこで仕事が途切れてしまうのは困るので、サブ回線に通信量無制限の楽天モバイルを使用するのだ。いや、最近の楽天モバイルはサブ回線どころかむしろメイン回線に格上げしたくなる電波の良さである。メイン機のドコモ回線は頻繁につながりにくい状況があったのに対して、楽天モバイルは那覇市の多くで5G接続表示がされ、速度も速く安定している。5G接続はてっきり東京圏内限定だと思っていたので、あまりにサクサクつながることに驚いてしまった。しかも通信量無制限なので気兼ねなく使える。

自分は楽天モバイルの回し者ではないが、今回は楽天モバイルには随分助けてもらった。

大量の着替えは不要

一方で「これは持っていく必要がなかったな」と感じたのが大量の着替えだ。

多くの旅行では着替えは滞在日数分持っていくことが普通である。都市圏への滞在においては自分もそうしてきた。しかし、意図せず今回滞在した沖縄県那覇市のすべてのホテルに洗濯機が備え付けられており、中には「自分専用の洗濯機」も設置していたホテルもあった。また、どのホテルにもランドリーサービスを提供しており毎日洗濯することができる。結果、着替えはあまり準備する必要がなかった。

洗濯機設置率の高さは、マリンスポーツを楽しむ前提の沖縄ならではの事情かもしれない。沖縄旅行をする際は宿泊先に洗濯機の有無を確認した上で着替えは最小でいいだろう。

プロテインも要らない

毎日筋トレをする人にとって、長期旅行滞在中の運動は気になるところだ。自分も事前にジムの充実度合いを確認した上で毎日筋トレをしていた。そして筋トレに欠かせないプロテインだが、これは創意工夫すればわざわざ持参する必要はないだろう。

その理由は宿泊先の朝食ビュッフェで、十分タンパク質を取ることができるからだ。流石にプロテインほど、脂質、糖質を完全に廃した純度の高いタンパク質摂取は難しい。だが、豆乳、豆腐、納豆、卵ならそれぞれ6-8gのタンパク質が含まれているので、複数とれば毎日筋トレ用の20g分を簡単に確保できる。理想は筋トレ前後の摂取だが、コーヒーお持ち帰りサービス用のカップに豆乳を入れておき、筋トレ後に飲むことで6gほどのタンパク質をカバーできる。

プロテインは少量だとかなり割高になってしまうし、沖縄は都市圏と比べてドラッグストアの数もないので買いづらい。かといって自宅から持参するには大きな荷物になってしまう。そこで旅先でタンパク質を積極摂取するという現地調達を勧めたいのだ。朝食ビュッフェを提供しているところなら、タンパク質確保は容易である。

事前にどれだけ調べても、実際に体験しないと分からないことは少なくない。過去に何回も長期旅行先で仕事をしてきたが、今回も数々新たな改善点が見えて有意義であった。少しでも他のワーケーションユーザーの参考になれば幸いである。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。