韓国コスメはなぜ安いのか?

韓国に行って気が付いたのは物価が東京よりも低いことでした。移動手段はウーバーでしたが、日本のタクシーの半額くらいです。また、飲食店は東京とほぼ同じか少し安いくらい。それ以上に激安を感じたのがコスメです。

世界的に有名なブランドではなく、聞いたことの無いような韓国発の化粧品ブランドが数えきれないくらいあって、それらが激烈な競争をしているように見えました。

日焼け止めクリームや保湿クリームやフェイシャルパックのような商品が、日本の類似品の半額程度で売られています。部屋の香りを整えるディフューザーも日本円で1,000円以下でしたので、思わず大人買いしてしまいました。

韓国コスメは何で安いのか?理由が知りたくてネットで調べてみました。

どうやら原価の構成に違いがあるようです。広告宣伝費用と抑え、大量生産することによって低価格にすることで販売量を増やせる。それによってブランドとしての認知度が高まるという好循環になっているようです。

化粧品というと、かつてはブランド構築に大きな資金が必要でした。有名なモデルを起用して大量のCMを投下して高価格で高品質のイメージを作るという販売手法です。

しかし、最近は広告よりもインフルエンサーのSNSによる情報提供の方が支持されるようになり、若い世代はインスタグラムやユーチューブで情報収集をするようになりました。

こうなってくると、品質をしっかり維持しながら宣伝コストを削減する「低コスト高品質」の方が市場で支持されるようになります。特に若い世代はインフルエンサーのマネをしたがるので影響は大きいです。これを徹底的に追求しているのが韓国コスメという訳です。

今回購入したフェイシャルジェルの中には、金が入っていたりかたつむりやキャビアのエキスが配合されたものもありました(写真)。ちょっといかがわしげですが、今人気で流行っていると言われると、好奇心で買ってみたくなるものです。

実際使ってみると、肌がプルプルになって即効性があるような気がしました。単なる気のせいかもしれません(笑)。

ファッションでもH&MやZARAのようなファストファッションが台頭してきたように、コスメ業界も高級ブランドと韓国コスメのようなカジュアルなラインが併存するようになるのかもしれません。

ただしコスメというのはイメージ商売の側面もあります。

韓国コスメの中に製品不良などによるトラブルが発生すれば、全体のイメージ低下につながり、このブームが一気に過ぎ去るリスクもあると思いました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年9月6日記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。