炭水化物摂取制限に挑戦

ずいぶん昔ですが、タバコを吸っていた時、止めたいなと何度も思ったことがあります。特にフィットネスに通いだしたころ、呼吸が苦しいだけではなくタバコのにおいが体に染みついていたりして汗と共にたばこのにおいで自分から悪臭を発しているのではないか、という自己嫌悪に陥ったからです。

そこで一大決心をして止めると決めるのですが、1度目も2度目も失敗。3度目の正直で止められました。理由の1つに当時カナダで売っていたタバコのパッケージに吸う人と吸わない人の肺のカラー写真がついていて衝撃的だったこととマラソンでタイムを競っていた頃だったのでどうにか「おさらば」することができました。

生活習慣を変えるのは本当に大変で相当の理由が必要になります。この1-2年、医者から糖尿病の予備軍といわれ3か月毎の検査でコレステロール値がいつも問題になりホームドクターから処方箋のクスリを飲めと言われているのですが、ささやかな抵抗で購入すらしていません。ドクターにどうにか自力で下げてみせる、と断言しているのですが、目立った数字の改善がありません。

先日、日本からのお客で健康オタクのような方とお会いした際、「一日何食食べていますか?」というので「2食半」(半とは朝、嫌いなオートミールを我慢してほんの少し食べている)というと「私は1食です」と。彼の主義主張は現代食品に含まれている様々な健康に良くないものを排出させるためのデトックス療法で1食にすることで摂取そのものをコントロールするというわけです。よくわからないけれど、なるほどと思ってしまうのです。

テレビのある番組では60歳を過ぎると炭水化物の過剰消費が健康に悪いと報じていました。体はもう若くないのだ、ということです。

sakai000/iStock

日本では令和のコメ騒動状態がまだ続いているようです。もう間もなく徐々に改善していくはずですが、そもそもコメの消費量がこの10年で1割減るなど着実な需要の減少傾向の中での微妙な変化に市場の調整能力が追い付かなかったこともあるのでしょう。日本人が炭水化物好きなのは誰もが認めるところですが、それでも米の大盛飯を3杯お替りするような少年は少なくなった気がします。仮にしばらく米が不足しても代替手段は講じられるだろうと思うし、政府がコメ価格を維持するために備蓄米をリリースしなかったのは逆に消費者のコメ離れを加速させる結果になる気がします。日本は少子高齢化の中、炭水化物過剰摂取状態なのですから。農水の坂本大臣、あの記者会見じゃやっぱり自民党は冴えないな、と思わせます。

閑話休題。炭水化物の摂取量を控えるとコレステロール値の改善の一役となります。そこでタバコを止めた時の手法を思い出したのです。3度目の禁煙挑戦をする際、ある突然「今日から止める」という宣言断絶型ではなく「助走期間」を置いたのです。それは普通のタバコを購入せず、葉巻に切り替えたのです。葉巻となるとさすが公共のところでは吸えません。その頃、私が吸っていたのは葉巻のイメージと程遠い普通のタバコサイズのミニ葉巻でした。これは吸いやすいのですが、それでも葉巻は肺に吸い込むわけではないのでなんとなく飽きてきたのです。これが私の期待した成果でした。タバコを買わない、葉巻は飽きた、ということで口さみしさを解消できたということです。

この手法を炭水化物摂取制限に応用するためにふと思いついたのが昼は今まで通り普通に炭水化物を摂取する、ただし夜は止めるという方法です。私は昔から居酒屋で酒を飲んでも「最後の締め」が不必要、ましてや「夜鳴きそば」は人生で1度しか食べたことがありません。食べた後の不健康さの罪悪感に苛まれ、2度と口にしたことはありません。

つまり自分の特性を考え、「これならできる」と結論付けたのです。人生一度きり、食生活ぐらい楽しめよ、と言われます。別に夜、炭水化物を断絶するなどとは言っていません。ご飯を止めるだけです。もしかしたらフライドポテトは少し頂くかもしれないし、パスタぐらい食べるかもしれないです。それは自分の中でOKにするのです。つまりとっても緩い制限。だけどこれに慣れてくれば将来もう少し制限も加えやすくなると思うのです。

自己コントロールは自分にしかできないことで他人がどうこうするものではありません。それは意志との闘いであり、克服せざるを得ないのです。我慢という言葉が現代社会では美化されなくなったような気がします。ただ人のカラダは昔も今も原則変わらないはずで、それなりに節制することは生活全般の規律を維持するうえでも重要ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年9月8日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。