「重要政策」乱発 膨らむ予算 来年度概算要求、117兆6000億円 「補正狙い」バラマキ誘発
財務省は4日、2025年度予算の概算要求総額が117兆6059億円になったと発表した。物価高対策や賃上げ促進に関する施策に配分する特別枠は、前年度からの継続や関連の薄い要望も目立つ。地政学リスクや金利上昇を受けて歳出は拡大する。旧態依然の要求方式はさらなる膨張を招く恐れがある。
税収が70兆円で、予算は117兆6059億円、金額を入れていない事項要求入れれば120兆円超えるんじゃないでしょうか。
省庁別の内訳では、防衛省は8.5兆円超と過去最大だった24年度予算の7.9兆円を上回った。国債の元利払いに充てる国債費は過去最大だった24年度予算から7.0%増となる28兆9116億円を見込む。うち利払い費は日銀の利上げを映し、同12.8%増えた。
防衛費は事項要求入れれば9兆円に近い。それを新聞は報じない。
そしてもっと大きな問題が、利上げによる国債費増大です。低金利を続ければどんどん円安とインフレが進むので今後はさらなる利上げが必要でしょう。つまり予算に占める国債費の比率は増大します。
いままでは国債乱発で、まるでタダで予算を増やせるかのようにバラマキ政策を行ってきたが、金利が上昇して政策には金がかかる、という当たり前のことが認識され始めています。
そして野放図に国債でばら撒くことは不可能であり、現役世代の社会保障費負担も限界にきています。予算総額を減らして現役世代の負担も減らさないといけない。
特別枠が目立つようになったのは1991年度の概算要求基準以降だ。生活の基盤となる社会資本の公共事業などに充てた2000億円の「生活関連重点化枠」が設けられた。当時の日米構造協議の中で、日本の内需拡大を迫られたことを受けた措置とされる。
裁量的経費の削減額の3倍をあてる現行方式は第2次安倍政権以降に定着した。近年は当初予算の特別枠で要望した事業は、補正予算で復活する傾向も強まっている。
この補正予算が曲者です。本来予算編成時に想定しなかった支出を手当する補正予算が、第二の予算となっている。しかも予算を通すのは 本予算よりもずいぶんと楽です。
だから来年度予算も120兆ではなく補正のムダ遣いを含めればもっと増えるでしょう。
これ以上の財政赤字の放置は不可避であり、それを無視するのであればIMFの管理下に置かれるかもしれません。それで一度痛い目を見たほうがいいでしょう。我々日本人は当事者意識と能力が低いので「進駐軍」から強制・矯正されないと改革はできないのかもしれません。
【本日の市ヶ谷の噂】
森下泰臣陸上幕僚長が、保身のために「イスラエル製品を採用するな」と部下に命じている。これが商社や調達現場に困惑を招いている。じゃあ、来年度でエルビットの偵察システム搭載した共通戦術装輪車の偵察型どうするんだ、装甲車用のAPS(積極防御システム)の3種類の候補のうち、2種類はイスラエル製、徘徊型ドローンなどイスラエル製候補は多いのに全部止めるのか?欧米製装備にもイスラエル製のコンポーネントやソフトは多いが、これ全部やめると?など陸幕長の小心に侮蔑、将の器に非ずと批判がささやれている、との噂。
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編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2024年9月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。