ありがたいことに、この秋は敬愛する方々とのイベントがなんと4つも、立て続けに決まりました(驚)。 プラスして、おまけのご報告も。
① 9/12(木)に、久しぶりに浜崎洋介さんとの文春ウェビナーやります! 好評だった前回に続いての、連載タイアップ企画です。冒頭無料部分のYouTubeはこちらから。
この番組は当日の流れを大事にするのですが、近日のnoteがそれ尽くし状態だった、専門家問題にはやっぱり触れていきたいところですねぇ(笑)。
たとえばウクライナ戦争、センモンカが推す「軍事支援一択」では解決しないことを、もう誰もが知ってるわけです。むしろ狭義の国際政治から見て専門外の切り口を設けなければ、本質がつかめず落としどころも見つからない。これまでの回でも、そうした問題提起をしてきました。
当事者を見捨て、前線からわらわら逃げ出すセンモンカたち(徹底抗戦から敵前逃亡へ?)を目撃した後の今回は、従来以上にエッジを効かせていきたいところ。ご期待くだされば幸いです。
② 一週間後の9/19(木)に、辻田真佐憲さんのチャンネルにて、安田峰俊さんと一緒に鼎談します。シラスないし、YouTubeにての配信。
安田さんの新刊『中国ぎらいのための中国史』の刊行記念。いまゲラで拝読中なのですが、「習近平が、諸葛孔明の出師表は引用するのに、水滸伝は無視するのはなぜ?」など、歴史と現在がクロスする問いがてんこもり。まったく新しい視点の中国入門になっています!
考えてみると、TVで見る前は存在も知らなかった専門家を、なぜニワカに盲信しちゃう人が増えたかといえば、教養としての歴史が衰退し、未知の現象が起きるごとに「新しく説明して! そうでないと手がかりがない!」となってしまうからですよね。要は、過去を参照できない。
もちろんそれで当たってればいいのですが、実際には司馬遼太郎の日露戦争観でも読んでおいた方が、ウクライナ戦争の見通しとして正しかったという、悲しい現実がありましてね(涙笑)。そんな時代に、「学び方」のオルタナティヴを示すイベントにもなればと思います。
③ 月末9/28(土)に、新潟・燕三条の嵐渓荘(ヘッダー写真)にて、綿野恵太さんと対談します。
なぜ突然燕三条!? と、私自身びっくりしているのですが、ともあれ企画の全容はこちらをご覧ください!
お世話になっているゲンロンカフェ/シラスのファンコミュニティが主催する、同人誌的総会イベント「らんまる」の一環で、ゲストに呼んでいただきました。由緒ある温泉旅館にお邪魔し、参加者には入浴・宴席・宿泊が付くディナーショーを超えたものすごいイベントです(汗)。ぜひ、内容だけでもチェックしていただけましたら。
何度も対談している綿野さんと、今回は「亜インテリ」問題をテーマにトークします。センモンカほかの「インテリ」こそダメになりつつある時代に、警鐘を鳴らしてきた者として、がっつり議論できればと思います!
④ 来月10/10(木)に、代官山蔦屋書店にて、先崎彰容さんと対談します。来店のほか、Zoom配信もあり。詳細はこちらから。
5月にもBSにお誘いいただいた先崎さん、今年は『本居宣長』(同月)に続き『批評回帰宣言』(8月)もと、矢継ぎ早に歴年の成果を刊行されています。後者の出版を記念してのイベントです!
我田引水かもですが、先崎さんが復権の必要を説く「批評」ということばと対になるのも、個人的には「専門」な気がするんですよね(苦笑)。批評的に接するとは、対象に没入して一体化するのではなく、醒めた自意識を保ち、相手との間に感じる違和を大事にし続ける、ってことでしょ。
ところがこの間、メディアで蔓延したのは「私は○○の専門家。つまり○○と私は一体。だから○○については私の主張だけを報じる・信じるべき!」みたいな識者の振る舞いで、かつぶっちゃけホントは一体じゃないからまちがってたわけですよ(失笑)。逆に言えば、批評がわからないセンモンカは、別にイラナイって話でもありますな。
代官山蔦屋書店さんには、6月に精神科医・詩人の尾久守侑さんとの対談でもお世話になりました。素敵な空間に1年に2度も呼んでいただけるのは、ありがたいかぎりです。
⑤ そして、ちょっとおまけ。発売中の『週刊現代』9/14・21号の力の入った特集企画「中国残酷物語」に、歴史の観点からのコメントを寄せました。チラ見せしますと、
「中国は歴史的に見ても常に人口過剰で、誰かが職にあぶれるのは当たり前。そうした人は巨大な親族集団で面倒をみる、という社会でした。」
116頁
から始まって、でも現在は……というお話。もともと2009年から提唱している観点に対して、今なお取材があるのだから、ありがたいことです。
以上、9~10月のPRとご報告でした。ぜひぜひ、秋の夜長を過ごすお役に立ちますなら幸甚です!
編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2024年9月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。