ハリス副大統領「イランは最大の脅威」:優先順位がおかしいのでは?

米国大統領選挙の投開票まで残り一か月を切っていますが、民主党大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領がメディアに露出することは稀です。

そんな中、久しぶりにテレビインタビューを受けたハリス氏ですが、そこで外交問題についての知見を披露しました。ハリス氏いわく米国にとって最大の脅威はロシアでも、中国ではなく、「イラン」だそうです。

ハリス氏は、中東戦争が米国の優先事項に重くのしかかる中、イランこそが米国の「最大の敵」だと語る

ハリス氏はイランが「最大の脅威」である理由として、イランが中東各国で支援している武力組織が駐兵している米兵を殺害してきたことを挙げました。しかし、外交問題に関する咄嗟の質問に対して具体的な回答が思い浮かばず、直近でイスラエルに対する大規模な軍事攻撃を仕掛けたイランの国名を挙げざるを得なかったのではないでしょうか?

昨夜の60ミニッツの放送では取り上げられなかった注目の回答(延長戦でした) 米国の「最大の敵国」はどこの国かと問われると、ハリス氏はこう答えた。 「念頭にあるのは明らかにイランだと思います。イランの手にはアメリカ人の血がついています。」

ハリケーン・ヘレーネの視察をするカマラ・ハリス副大統領 同氏インスタグラムより

イランは核保有国になる恐れがあるものの、経済規模では米国には到底及びません。そのような国を自国に対する「最大の脅威」だと表現するハリス氏の見識はいかがなものでしょうか?

カマラ・ハリス氏は、イランこそがアメリカ最大の敵だと言っている。我が国の60倍のGDPしかない国が、どうして最大の敵なのだろうか?これは、彼女の政策知識のなさが、チェイニー氏の馬鹿げた主張をそのまま受け入れさせているだけであることを示唆している。

米国が支援するイスラエルにとってイランは最大の脅威かもしれませんが、米国にとっては中国と比べると優先順位は低いはずです。

これは(イランが脅威であるということ)あなたの国の名前がイスラエルの場合のみ正解です。アメリカ合衆国の場合、それは文字通り狂気です

先日、イスラエルが約200発ものミサイル攻撃をイランから仕掛けられた際、ハリス氏は強い口調でイランを非難しています。バイデン政権はいかなる場合でもイスラエルを支援しつづける姿勢を示しており、現政権の閣僚であるハリス氏はその方針に従わざるを得ません。

カマラ・ハリス副大統領は、イスラエルに対するイランのミサイル攻撃を「断固として」非難すると述べた。 「私ははっきりと認識している。イランは中東において不安定化をもたらす危険な勢力であり、今日のイスラエルへの攻撃はその事実をさらに証明しているだけだ。」

ハリス氏のイスラエルを支持する姿勢は、民主党の強固な支持基盤であるユダヤ系の有権者、また動員力を誇るイスラエル・ロビーにアピールするという選挙戦略上の思惑があります。

一方のトランプ陣営も同じく親イスラエル政策を要求する宗教右派への働きかけを行っています。

トランプ大統領はイスラエルを支持する。

今年の大統領選は史上類を見ない大接戦になることが予測されています。両陣営は勝利を手にするために、ユダヤ系を含めあらゆる有権者の票の獲得に必死です。